2019 Fiscal Year Annual Research Report
Online supervion research in the clinical psychology
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15K04107
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
織田 信男 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (80250645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20174625)
伊藤 拓 明治学院大学, 心理学部, 教授 (20412306)
山本 眞利子 久留米大学, 文学部, 准教授 (70289205)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スーパーヴィジョン(SV) / スーパーヴァイザー(Svor) / スーパーヴァイジー(Svee) / クライエント(CL) / コミュニケーション・メディア(CM) |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は日本ブリーフサイコセラピー学会第29回大会で研究成果の一部を発表した。内容は,異なるオリエンテーションを持つ3人のSvorと2人のSveeのSVにおいて,対面,電子メール,スカイプといった3つのコミュニケ―ション・メディア(以下,CMと略)によりSVの効果が異なるかをSveeの自由記述から検討した。手続きは,Svor1人当たり対面,メール,スカイプを1年間で各4回SVを実施した。Svee Aが36回,Svee Bが12回の計48回。質問項目は自由記述によるSVに対する問題点と良かった点と改善点の3項目についてKJ法(川喜田,1967)を参考にして分類した。χ2検定の結果は,CMの種類によってSVの問題点と改善点に関しては統計的に有意な偏りはなかったが,メールSVでは,Svee側の「ケースの情報提供不足」の度数が多く,スカイプSVでは,「回線速度の遅さによる中断」が多い特徴がみられた。SVの良かった点では,メールSVでは「自己成長感の獲得」よりも「ケースの理解促進」が統計的に有意に多く,一方,スカイプSVでは逆の結果となった。この理由として,ケースに関する質問への回答を活字で求めるメールSVでは,問題が整理され,返事を何回も読み返せる等の利点から,SVが「Sveeの成長感の獲得」よりも「ケースの理解促進」に焦点が当てられやすいことが示唆された。 また,大学の講義で複数の学派におけるSV目的の共通点と相違点を本研究で得られた事例を含めて紹介した。具体的には,いずれのSVもSveeの学習及び成長とCLの福利を優先させる目的を持つが,その割合が異なることを示した。このSvee優先型とCL優先型の割合に関しては,Sveeの発達水準(Stoltenberg & McNeills, 2010)に応じてSVが遂行される際に,SveeによるSV評価が上がる可能性についても示唆した。
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Research Products
(1 results)