2018 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological Traits predicting the conviction of offensive cognition
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15K04122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (00506305)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 加害感 / 確信度 / 妄想性 / 統合失調型パーソナリティ / メタ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
加害感とは「他者に不快感を与えている」と事実に反して妄想的に悩む症状である。その妄想性によって患者の社会的機能が非常に阻害されるため、治療法につなげるための基礎研究が必要となる。また診断に際しても難しさをはらむ症状であるとも言われている。これまで妄想的な色彩を帯びる原因となる認知的傾向(メタ認知傾向など)について明らかにしてきたが、妄想性を持ちやすい特性については検討されていない。症例研究等からは、統合失調症的な病前の特性が関わっている可能性が予想される。本研究課題は妄想性を認知の確信度の高さととらえ、メタ認知やもともとの特性がどのように加害感の確信度を高めているのか、その仕組みをさぐることを目的とした。 多数の調査データを要するため調査会社の利用を検討したが、回答バイアスの存在が近年になって多く指摘されている。そのため、回答バイアスの可能性やそれを抑制するための方策についての検討を第一に行った。また、本研究は、研究代表者が2009年-2010年の若手研究(B)で開発したSA-DOS日本語版を使用するが、症状の頻度(その症状をどの程度体験しているのか)・苦痛度(その症状がどの程度苦痛なのか)・確信度(不快感を与えているかどうかをどの程度確信しているのか)という3つの次元から測定する方法をとっている。本邦にあまり類をみない方法であるため、国際学会での議論を経て方法論の確定を行った。現在、収集したデータの解析を行っている。
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