2018 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Study on the Brain Circulation of International Students with Science and Engineering Majors
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15K04351
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 由利子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (50323829)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 留学生の就職 / 日系企業 / 高度人材 / オーストラリア / 移民政策 / タイ / インドネシア / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本とオーストラリアで理工系の学位を取得した留学生のフォローアップ調査を通じ、主な属性別の定着・移動のパターンと影響要因を比較分析するとともに、留学国/出身国で働く留学生の職場等での貢献、社会環境、知識移転・ネットワーク構築などの頭脳循環の特徴と課題を解明し、日本の留学生政策及び高度人材受入れ政策への示唆を得ることを目指した。 日本で学位を取得した理工系と文系の中国人元留学生314人(理工系150名、文系164名)の進路選択と職場環境・生活環境に関する調査から、「キャリア形成/能力向上」が理工系でも分析でも、留学生が就職先を選定する際に最も重視する要因であること、理工系では、日本の技術力の高さが日本定着を促す要因であるものの、中国政府の頭脳還流政策や中国における能力向上・発揮機会が、帰国促進要因になっていることが判明した。 日本とオーストラリアで学位を取得したアジア出身の元留学生の進路選択と職場環境・生活環境を比較分析を継続すると共に、タイ、インドネシア、ベトナムの元日本留学生対する聞き取り調査および質問紙調査、また日系企業関係者に対する聞き取り調査を実施した。 この結果、日本とオーストラリアで学位を取得したアジア出身の元留学生の進路選択と職場環境・生活環境を比較すると、オーストラリアで学位を取得した者は定着傾向が強いのに対し、日本で学位を取得した者は、一旦日本で就職しても、数年後に帰国して母国で就職する傾向が強いことが判明した。 これらの調査結果に基づき、2018年度に査読付き論文3本、論考1本を出版すると共に、3回の国際学会/会議等での発表、5回の国内学会での発表、4回の招待講演を行った。
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Research Products
(16 results)