2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of systematical curriculum model about a spoken language skill in a high school national language department
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15K04469
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
大滝 一登 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (10544299)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 音声言語 / 高等学校 / 国語科 / カリキュラム / 論理的思考力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究においては、前年度までの成果を踏まえ、高等学校における音声言語に関する効果的なカリキュラム構築を見据えた実践研究を実施した。 具体的には、現行学習指導要領「国語総合」「国語表現」を対象に、生徒の実態の異なる複数の高等学校に、研究協力校として、主として論理的思考力の育成を目指した複数単元での指導と検証を行ってもらった。高等学校では、音声言語を重点的に取り上げた実践の蓄積自体がこれまで十分に行われておらず、研究協力校によっては、単元の構想がねらいに即さないものもみられたが、継続して訪問調査を行った。 その成果の一部を、研究協力者とともに、令和元年6月に開催される第136回全国大学国語教育学会茨城大会において、「高等学校国語科における音声言語カリキュラム開発に関する研究―論理的思考力の育成を目指した「国語表現」の事例を中心に―」として発表することとした。本発表においては、(1) 論理的コミュニケーションの状況変化、(2) 教師による実践の振り返り、(3) 次年度カリキュラムへの更新、(4) 新学習指導要領実施に向けた知見、の4点において成果と課題を整理した。重点とした(1)においては、①論理の構成を明確にさせるために特定の型を用いることは有効であるが、定着には継続的に用いる必要があるとともに、その限界にも留意する必要があること。②生徒の意識の重点は、論理の構成が定着する段階から、相手意識を重視する段階へと移行する状況がみられたものの、その関連性については明確ではないこと。③公的な場で相手を説得する営みを通して、自らの言葉遣いへのメタ認知が高まる状況がみられたこと。④相手を論理的に説得することと社会生活や自己のキャリアとの関わりを意識させることには意義があったこと、などを明らかにした。
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