2016 Fiscal Year Research-status Report
低コスト牧草由来のセルロースナノファイバー抽出技術の開発
Project/Area Number |
15K04624
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
ナカガイト アントニオ・ノリオ 徳島大学, 大学院理工学研究部, 准教授 (50523156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 均 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (20171423)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セルロース / ナノファイバー / ミキサー / 超音波ホモジナイザー / 牧草 / 柔細胞 / ナノフィブリル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は植物から低エネルギー消費で手頃な装置を用いて、セルロースナノファイバーを抽出する処理法の開発である。現在主流のナノフィブリル化プロセスでは、高価な装置に依存しており、高エネルギーの入力に対して収率が非常に低い。 平成28年度計画の予定と成果は以下の様になった。 1.料理用ミキサーのナノフィブリル化用容器の設計改良によりナノフィブリル化の効率が向上された。容器の容量減少、真空吸引で攪拌、容器素材をアルミニウムに置き換え並びに水流冷却を搭載された。その結果、長時間連続的処理が可能になった。ミキサー処理後超音波ホモジナイザーによりセルロースナノファイバー形態を用途に必要な細かさを調整できるようになった。 2.高角細胞である牧草からの繊維より農業副産物由来の柔細胞に当たる繊維がナノフィブリル化が容易であり、従って果物、根、地下茎等の搾りかすがセルロースナノファイバーの適切な原料であることが明らかになった。 3.項目1の方法により柔細胞から抽出されたセルロースナノファイバーを用いて光学的に透明な複合材料の開発が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
牧草由来の牛糞より柔細胞に基づく農業副産物がナノフィブリル化に適切なことにより、後者のフィブリル化のためにミキサー処理実験を優先的に進めている。超音波ホモジナイザーによる処理はミキサーによる前処理に続いて効率的であるが、柔細胞繊維の場合は超音波処理のみでフィブリル化を行う可能性を実験的検討中。そのため得られたナノファイバーを用いた材料の開発はわずかに遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度では超音波ホモジナイザー処理のみに基づく柔細胞繊維から一括法で抽出できる連続過程の技術を完成させる予定。完全研究室内生産ナノファイバーを用いて材料開発を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していたガラス器具および薬品が予定よりも安く購入することが出来たため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験のための消耗品の購入と学会参加費および旅費に使用する予定。
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Research Products
(3 results)