2015 Fiscal Year Research-status Report
可溶性フタロシアニンを用いた塗布型有機薄膜太陽電池の膜内結晶性制御による高効率化
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15K04651
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
広光 一郎 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40199138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 真 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (70208700)
池上 崇久 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00379033)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 塗布型有機薄膜太陽電池 / 可溶性フタロシアニン / 結晶性薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の有機溶媒を用いて,可溶性亜鉛フタロシアニン塗布膜の作製およびそれらを光吸収層に用いた太陽電池を作製し,以下の結果を得た。 1. 可溶性亜鉛フタロシアニン塗布膜の作製 溶媒の種類,混合比,粘性や揮発性により塗布膜の膜質及び結晶性が変化することが期待されるため,本研究では,Dimethyl sulfoxide (DMSO), Tetrahydrofuran (THF), Ethyl acetate,ChloroformとChlorobenzeneの混合溶媒(CF:CB=3:1)を用いて塗布膜を作製した。これらの塗布膜の結晶性を評価するため,X線回折測定を行った。その結果,DMSO,THF,Ethyl acetateを用いて作製した薄膜ではX線回折パターンは得られなかったが,CF:CB=3:1の混合溶媒を用いた場合では,2.85°と5.70°付近にX線回折パターンが現れ,結晶性薄膜を得ることに成功した。 2. 太陽電池の評価 ITO/ZnPc(tert-butyl)4 (ZnPcTB)/3,4,9,10-perylenetetracarboxylic bis-benzimidazole (PTCBI) (50nm)/In (20nm)/Al (30nm)という構造の太陽電池を作製し,特性評価を行った。ZnPcTBはスピンコート法により製膜し,PTCBI, In, Alは真空蒸着法により製膜した。ランダム配向膜の光吸収層を有する素子のJ-V測定を行った結果,CF:CB=3:1の混合溶媒を用いた場合では,他の素子に比べてJSCが1桁程度大きいために光電変換効率ηが向上し,開放電圧VOC=0.15 V,短絡電流密度JSC=0.02 mA/cm2,Fill Factor=0.21,η=6.39×10-4 %という値が得られた。次に,結晶性を有する亜鉛フタロシアニン薄膜を光吸収層に用いた素子では,VOC=0.28 V,短絡電流密度JSC=0.22 mA/cm2,Fill Factor=0.30,η=1.80×10-2 %となり,JSCの増加によって特性が大幅に向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の有機溶媒を用いて塗布膜の作製を行い,結晶性薄膜を得ることに成功した。結晶性薄膜を光吸収層に用いた太陽電池では,分子がランダムに配向した薄膜を用いた太陽電池と比べて約28倍光電変換効率が向上した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,結晶性の制御と合わせて膜厚制御も行い,それらが太陽電池特性に与える影響を調べる予定である。また,種々の置換基を付加した単量体/2量体フタロシアニンの結晶性薄膜を用いて塗布膜太陽電池を作製し,結晶性の向上や光吸収波長領域の増大を通して光電変換効率の向上を試みる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] An unprecedented up-field shift in the C13 NMR spectrum of the caboxyl carbons of the lantern-type dinuclear compex TBA[Ru-2(O2CCH3)(4)Cl2]2015
Author(s)
Yuya Hiraoka, Takahisa Ikeue, Hiroshi Sakiyama, Frederic Guegan, Dominique Luneau, Beatrice Gillon, Ichiro Hiromitsu, Daisuke Yoshioka, Masahiro Mikuriya, Yusuke Kataoka, Makoto Handa
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Journal Title
Dalton transactions
Volume: 44
Pages: 13439-13443
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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