2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04781
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 剛 京都大学, 数理解析研究所, 講師 (70444453)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 新一 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10243106)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 宇宙際幾何 / 遠アーベル幾何 / Hodge-Arakelov理論 / Riemannゼータ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、 1、宇宙際Teichmuller理論の国際的に他の研究者に対しても議論できるような下地を作る、 2、宇宙際Teichmuller理論の細部の検証、 3、宇宙際Teichmuller理論においてHodge-Arakelov理論が果たした(技術的ではなく思想的)役割をRiemannゼータに対して模索、 を行った。1については12月にOxfordにおいて講演および他の研究者と議論を行った。特に講演については、これまで宇宙際Teichmuller理論をうまく理解できなかった人たちについて最初の手がかりになるようなことができたと思われる。2については、1によって得られた下地によって、tempered基本群についての細かい技術的なことなどの検証が(研究分担人の望月氏により)できた。3については、これまでlogをとる前と後で代数幾何的座標から非代数幾何的座標に移るということが物事の難しさの1つに関わっていた。これまではlogリンクの方向性でlogを考えていたが、境界写像の方向性で考えると困難が解消されるかもしれないということに気付いた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大きな展望では宇宙際幾何をRiemannゼータの研究に応用することを最終的な目標にしている。提出した研究計画にも書かれてある通り、宇宙際Teichmuller理論においてHodge-Arakelov理論が果たした(技術的ではなく思想的)役割の部分を、Riemannゼータに対し思索を深めることで見つけるのが肝になってくる。そもそもその問題自身が極めて難しい問題であることが進捗が遅れていることの大きな理由の1つである。宇宙際Teichmuller理論を踏まえたうえでその発展の思索を深めるためには、ある意味当たり前のことだがおおもとの宇宙際Teichmuller理論についてより思索を深めないといけないことに気付いた。平成27年度は、宇宙際Teichmuller理論について国際的に他の研究者たちにその理論内容を「普及」し議論できる下地を作るのに想定以上のエネルギーを使ったことも理由の1つと思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、宇宙際Teichmuller理論についての国際研究集会を京都大学数理解析研究所で開催する予定である。それにより、国際的により多くの研究者とその理論について議論をするとともに、理論の発展としてRiemannゼータに対するHodge-Arakelov理論の思索を深める。
|
Causes of Carryover |
平成28年度に宇宙際Teichmuller理論についての国際研究集会を京都大学数理解析研究所にて開催することが平成27年度中に確定したため、当初の計画通りに、平成27年度に申請した一部を平成28年度に繰り越しすることにした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の繰り越し分については、平成28年度京都大学数理解析研究所にて開催される予定である宇宙際Teichmuller理論についての国際研究集会における海外の研究者の招聘、および研究集会中のコンピューター関連用品の購入にあてる予定である。
|
Research Products
(7 results)