2015 Fiscal Year Research-status Report
二重被覆代数曲線と対称数値半群から考察するフルヴィッツの問題とK3曲面の研究
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15K04830
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
米田 二良 神奈川工科大学, 基礎・教養教育センター, 教授 (90162065)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 代数曲線 / Weierstrass半群 / 二重被覆 / K3曲面 / 数値半群 / Galois Weierstrass点 / 平面曲線 / 対称数値半群 |
Outline of Annual Research Achievements |
連携研究者と代数曲線のWeierstrass半群がいつ二重被覆の分岐点から得られるかの結果を得て、論文としてまとめた。近々投稿する予定でいる。第13回代数曲線論シンポジウムを共同で主催した。講演者は10名で、参加者は41名であった。また、プロシーディングを出版した。 研究協力者とは共著の論文2本が雑誌に掲載された。内容は、一つは平面曲線の二重被覆がいつ射影平面の二重被覆(これはK3曲面になる)に拡張できるかをWeierstrass半群を使って記述したものである。もう一つは種数3の代数曲線の種数6の二重被覆のWeierstrass半群を決定した。また、Galois点とGalois Weierstrass点の関係を二重被覆を通して調べた論文が受理されている。さらに共同研究でReimann定数とWeierstrass半群についての論文が投稿中である。 海外共同研究者とは5次平面曲線の二重被覆のWeierstrass半群の論文が雑誌に掲載された。また、海外共同研究者の大学を11月と2月から3月に掛けて訪問して共同研究を実施し、6次平面曲線の二重被覆のWeierstrass半群についての結果を得たので論文としてまとめる予定でいる。 講演については9月に、Galois点 のWork Shopで、P(1,1,4)の二重被覆であるK3曲面上の曲線のWeierstrass semigroupについて講演した。また、1月に中央大学代数セミナーで4次平面曲線の二重被覆のWeierstrass半群について講演した。これらは、研究協力者との共同研究である。そして、2月にRIMS研究集会で、海外共同研究者との共同研究である6次平面曲線の二重被覆のWeierstrass半群について講演した。また、準対称数値半群が二重被覆のWeierstrass半群になる場合についての論文が RIMS の講究録に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二重被覆の分岐点のWeierstrass半群については、平面曲線の場合に6次までわかり、当初の計画以上に進展している。また、代数曲線のWeierstrass半群が二重被覆の分岐点のWeierstrass半群になるための条件も上と下の種数の関係の境界を越えてまでわかり、計画以上に進展している。非対称数値半群とRiemann定数の関係についての結果が得られたことも計画以上の進展である。種数4の代数曲線の種数8から11までの二重被覆の分岐点のWeierstrass半群の研究も順調に進展している。Galois点とGalois Weierstrass点の関係の研究についても順調である。 重み付き射影平面の二重被覆であるK3曲面上の代数曲線のWeierstrass半群についての結果はまとめられる状況になっているが論文としてまだ、著していないので少し遅れている。フルヴィッツの問題を対称数値半群から見た結果についてはまとまっているが、これも論文として著していないので少し遅れている。 トーリック曲面上の代数曲線のWeierstrass半群については、まだ共同研究を実施することはできていない。射影平面の二重被覆であるK3曲面上の代数曲線のWeierstrass半群についての共同研究の機会を持てていない。
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Strategy for Future Research Activity |
代数曲線のWeierstrass半群が二重被覆の分岐点のWeierstrass半群になるための条件に関する論文を投稿すること。また、6次平面曲線の二重被覆のWeierstrass半群の論文を著し、投稿すること。そして計画より少し遅れている重み付き射影平面の二重被覆であるK3曲面上の代数曲線のWeierstrass半群についての結果とフルヴィッツの問題を対称数値半群から見た結果についてそれぞれまとめ、論文として著したい。 海外共同研究者とは7次以上の平面曲線上の二重被覆のtotal flex上の分岐点のWeierstrass半群の研究を進めたい。 連携研究者とは射影平面でない有理曲面上の代数曲線のWeierstrass半群の研究をする。 研究協力者とは、種数4の代数曲線の種数8から11までの二重被覆でWeierstrass半群が対称的でもなく準対称的でもないものについて共同研究を進める。対称的または準対称的である場合には結果が出ているので論文としてまとめる。Weierstrass半群が2元生成である場合のGalois Weierstrass点の共同研究を進める。射影平面または重み付き射影平面の二重被覆であるK3曲面上の代数曲線についてこれまでに考えてなかった例についても考えると同時に一般論でどこまでわかるかを解明する。Lazarsfeld-Mukai束とWeierstrass半群の関係について共同研究する。トーリック曲面上の代数曲線のGalois Weierstrass半群の特徴づけをしたい。対称的でなく、3-半群でもないWeierstrass半群の場合のRiemann定数について研究する。 フルヴィッツの問題の解決のために対称数値半群、準対称数値半群、almost symmetric数値半群についての研究をする。
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Causes of Carryover |
初年度ということで、6月からの使用となったが、6月と7月は校務で忙しく出張しての共同研究を実施できなかった。また、主催した第13回代数曲線論シンポジウムは会場費が無料であり、講演者への旅費の補助も予想より少なく済んだ。そして、予定していた3月の連携研究者の大学への出張は都合がつかなく中止になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
夏休みまでに研究協力者との共同研究のための数回の出張の旅費に使う。夏休み以降の共同研究の出張については、海外共同研究者との共同研究のための出張期間を前年度に比べて長くする予定でいる。また、連携研究者との共同研究のための出張を前年度の1回から2回にする予定でいる。そして研究研究者との共同研究のための出張の回数も可能なら増やすことを考えている。12月開催予定の第14回代数曲線論シンポジウムでは海外から講演者を招待し、その旅費に充てる積りである。
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Research Products
(10 results)