2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04873
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葉廣 和夫 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (80346064)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Hopfモノイド / 対称モノイダル圏 / LMO関手 / Kontsevich不変量 / ハンドルボディ / 底タングル / 圏 / 関手 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度において、次の論文を完成させることができた。 1. 有限生成自由群の圏 F は対称モノイダル圏として、可換Hopfモノイド対象により自由に生成されることは良く知られている。この事実の組合せ的な直接的証明を与えた。この事実はHopf代数に関連した圏論的構造を研究するための基本的で重要なものであるので、より簡明な直接的証明を与えるのは意義があることと考える。この事実と、ここで与えた証明は、以下の論文2においても用いられている。 2. G. Massuyeau氏との共同研究で、 ハンドルボディ内の底タングルの圏 B において定義される関手 Z を、タングルのKontsevich不変量を用いることにより、構成した。この関手は以前にD. Cheptea氏、Massuyeau氏との共同研究において定義した、いわゆるLMO関手の(部分的な)精密化になっている。関手 Z は、ハンドルボディ内の底タングルの普遍有限型不変量を与える。この事実により、圏 B の線形化のVassiliev-Gusarovフィルトレーションに付随する次数付線形圏が、「Casimirテンソルを持つ可換Hopfモノイド」によって自由に生成される対称的線形モノイダル圏と同型であることを証明することができた。 上記2の研究に引き続いて、Massuyeau氏と共同で、関手 Z の、ハンドルボディの写像類群への応用についての研究を行っている。特に、曲面の写像類群のJohnson準同型の、ハンドルボディの写像類群における類似物と、関手 Z との関連についての研究が進展しつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進展していると考える。 特に、Massuyeau氏との共同研究による、ハンドルボディ内の底タングルの圏において定義される、Kontsevich不変量を用いた関手は、ハンドルボディ群の表現などへの応用が見込まれる、良い結果であると考えている。その後、この方向でMassuyeau氏との共同研究も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、研究目的の各項目について研究を行っていく。 数学の研究においては、計画通りに研究が進まなかったり、予想外の進展があることも十分に考えられる。そのような場合には柔軟に計画を修正しながら研究を進めていく。
|
Causes of Carryover |
今年度は当初予定していたよりも出張の回数が少なかったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に出張、物品購入などに効率的に使用する計画である。
|
Research Products
(6 results)