2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K04873
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葉廣 和夫 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (80346064)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Johnson準同型 / Johnsonフィルトレーション / 群 / N-series / ハンドルボディ群 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は次の1つの論文を完成させることができた。 1. Gwenael Massuyeau氏と共同の論文 "Generalized Johnson homomorphisms for extended N-series"を完成させた。曲面の写像類群の Johnson フィルトレーションとその上の Johnson 準同型は、曲面の基本群への写像類群の自然な作用から、曲面の基本群の降中心列への振る舞いを見ることによって定義される、写像類群の研究において基本的かつ重要な道具である。この論文では、任意の群 G の他の群 K への作用と、Kの extended N-series と呼ぶフィルトレーションが与えられた時に、群 G に対して Johnson フィルトレーションと Johnson 準同型の類似物が構成できることを示した。たとえば、K の任意の正規部分群 N の降中心列が K の extended N-series となることからわかるように、extended N-series の概念は非常に適用範囲が広いものである。 論文として未完成ではあるが、次の研究を継続中である。 2.(Gwenael Massuyeau氏と共同)上記1.の理論の重要な応用として、ハンドルボディ群(3次元のハンドルボディの自己同相写像のイソトピー類がなす群)のハンドルボディの境界の基本群への作用を考えることにより、ハンドルボディ群の新しいフィルトレーションを定義することができる。このフィルトレーションは、Massuyeau氏と共同で定義した、底タングルの圏の上のKontsevich不変量によって定義される関手と密接に関連している。 3.線形圏のHochschild-Mitchellホモロジーとその応用についての研究を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は1つしか論文を完成させることができなかったという意味で、期待していたよりもやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に記した2.および3.の研究を進めていく。他の研究についても積極的に進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由)今年度は当初予定していたよりも出張の回数が少なかったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度に出張、物品購入などに効率的に使用する計画である。
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Research Products
(7 results)