2015 Fiscal Year Research-status Report
ホモトピー集合とそのホモトピー不変部分集合族の研究
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15K04884
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
小田 信行 福岡大学, 理学部, 教授 (80112283)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | コゴットリーブ群 / ホモトピー同値 |
Outline of Annual Research Achievements |
基点付位相空間の間の基点付連続写像全体に基点付ホモトープという同値関係を入れて得られた同値類の全体の集合における様々なホモトピー不変な部分集合族の性質を詳しく調べた. ゴットリーブ群を用いて定式化されるサイクリック元を保存する写像のホモトピー集合とその双対の研究を行った.特に,一般化されたコゴトリーブ集合のもついくつかの新しい性質を証明した.コゴトリーブ集合については特別な場合に短完全列の存在を証明した.この性質は,コゴトリーブ集合の代数的性質を研究する上で重要である. 特別な空間の自己ホモトピー同値写像類の群について,群の半直積との関係が得られた.一般的な性質を証明し,いくつかの特別の場合に空間のコホモロジー群の性質を用いて定式化した.空間のホモトピー群の特別な性質について,ファイブレーション, コファイブレーション, 胞体構造,ポストニコフ分解との関係に関するいくつかの定理が得られた.いくつかの例について詳しく研究した.2-圏における3次ホモトピー作用素に関して,特に大口の研究と大嶋の最近の研究を踏まえ,様々な性質について研究した.箱積については,非決定因子とルターの公式との関係に着目し研究を進めた.さらに,箱積に対して古典的なホップ不変量だけでなく,一般化されたホップ不変量に対する公式も証明することができた.さらに,懸垂写像や境界準同型写像についても公式を詳しく研究した.これらの定式化のために,新しい箱積の定式化が重要であることが判明した.ブラウン・ブース・ティロットソン積の中心について調べ,一般化された反射空間との関係を証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下のような研究結果が得られたので,おおむね順調に進展している. 一般化されたコゴトリーブ集合のもついくつかの新しい性質を証明し,さらに,特別な場合にコゴトリーブ群の短完全列の存在を証明した. 自己ホモトピー同値写像類の群について,それを構成する空間の自己ホモトピー同値写像類の群と対称群の半直積との関係が得られた.また,コホモロジー群の性質を用いて一般的に成り立つ定理を得た. 空間のホモトピー群の特別な性質を調べ,空間と胞体を接着した空間との関係が得られた.また,アイレンベルグ・マクレーン空間への写像から誘導されたファイブレーションのファイバーとの関係も得られた.2-圏における3次ホモトピー作用素に関して新しい定式化が得られた.箱積に対して古典的なホップ不変量だけでなく,一般化されたホップ不変量に対する公式も証明した.ブラウン・ブース・ティロットソン積の中心に関する定理が得られた.また,この結果を一般化された反射空間の理論に応用することができた. これらの成果は次年度以降の研究の基礎の一部となる.
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Strategy for Future Research Activity |
空間のホモトピー不変量について,ファイブレーション, コファイブレーション, 胞体構造,ポストニコフ分解との関係に着目して具体例を研究する.様々な結果が得られている自己ホモトピー同値写像の集合との関係を研究する. 特別な空間の族と部分集合族の関係を解明することを試みる. この概念は特別な空間のクラスを定義するので,余ホップ対象をもつ圏について類似の対象の存在の研究を行う. コンパクト有界写像について,圏において対応する射のクラスの定式化を行うことにより圏論的研究を行う. 2-圏において定式化が困難と思われる結果がホモトピー不変量として重要な概念については位相空間の圏において成立する性質に着目して定式化を行う. 特別な位相空間のクラスに対するブラウン・ブース・ティロットソン積の中心は大変良い性質を持っているので,k空間の圏と同様な「適切圏」と考えるが,この圏に関して積,和,極限等の様々な操作が可能であることを研究する. コサイクリック元を保存する写像のホモトピー集合の理論を,一般コホモロジー群の部分群に対して定式化し,応用することを検討する.これらの結果を圏と関手を用いて定式化することを試みる
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Causes of Carryover |
研究期間は平成27年10月21日から開始され,平成27年12月末に次年度使用額が49,000円ほどになると予想されたが,その時点での研究の進捗状況を考慮して,残額を次年度の旅費に使用することが適切であると判断されたため残額を次年度使用とした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3月の出張旅費が計算された結果,最終的には84,000円の残額と確定したので,次年度使用の理由を考慮して平成28年度において旅費に組み込み使用計画を作成する.
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