2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical problems in quantum field theory and infinite dimensional analysis
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15K04888
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
新井 朝雄 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (80134807)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 量子場 / 正準反交換関係 / 正準反交換関係 / 基底状態 / 時間作用素 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
(1) 量子場のモデルにおける基底状態の縮退度に関して，上からの一般的な評価式を導いた．(2) 量子場の諸々のモデルを数学的に構成する上で基礎となる正準交換関係(canonical commutation relations; CCR)と正準反交換関係(canonical anti-commutation relations; CAR)の表現における非同値表現で物理的に重要な意味をもつものを探求し，詳しく解析した．
(i) 一般のd次元空間上の中性量子スカラー場の時刻０の場はCCRの表現によって与えられるが，それらの総体は質量パラメーターによって添え字づけられるCCRの既約表現を形成する．質量が異なる表現どうしは非同値であることはよく知られている結果であるが，本研究では，この背後に存在する普遍的構造を明らかにした．これによって，非同値表現の物理的な意味についても，より深い認識が可能となった．
(ii) 有限温度の自由量子場の理論における時刻０の場もCCRの表現から構成されるが，これらは絶対温度に依存する．絶対温度が異なる表現どうしは非同値であることが証明される．これは絶対温度が，あるCCRの非同値表現の族を添え字づける役割を担っていることを示す．
(iii) 自由な量子ディラック場はCARの表現によって構成され，質量によって添え字づけられる．本研究では，質量が異なる表現どうしは非同値であることを証明し，さらに，この事実の背後にある普遍的構造を明らかにした．
(3) 一般の量子系に対して，超弱な時間作用素の概念を導入し，時間作用素の階層性と各々の物理的役割を考察した．
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