2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K04920
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, フェロー (30018949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 信州大学, 工学部, 非常勤講師 (50090551)
三谷 健一 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (00468969)
渡邉 恵一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50210894) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バナッハ空間 / James定数 / absoluteノルム / Becknerの不等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
バナッハ空間の幾何構造の研究は,一言で言えば、バナッハ空間の直交性の概念などを研究することであるが、その研究として,種々の幾何学定数の研究がある。本年度は,幾何学定数の研究に重点を置いて行った。先ず、James定数が√2をもつバナッハ空間の構造を調べた。内積空間ならば、James定数が√2であるが、3次元以上のバナッハ空間なら逆が成立することを示した結果は、内外から注目された。そこで、2次元空間に限定して、James定数が√2をもつ空間の特徴付けの部分解答を与えた。また、具体的な空間、特、2次元ローレンツ空間 X のJames定数の研究として、J(X*)=J(X)の条件を見つけた。この関係を、実際には、symmetric absolute空間でも成り立つことを示した。これらの結果は,Math Nach、Acta Math Sinica等の数学雑誌に発表されている。 一方、バナッハ空間の幾何構造は、ノルム不等式で特徴付けされるているので、この点に着目して、新しい幾何学的な概念を導入し、それをノルム不等式で特徴付けると言う興味のある結果を示した。その鍵となっているのは、Becknerの不等式であり、これを一般化に成功して、バナッハ空間における新しい幾何構造の概念を発表した。これらの結果は、Anal Funct Anal, Math Nachtなどの論文に発表されている。また、ノルムのskew性に関しても研究が進み、skew定数の概念を提唱し、その定数の計算に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バナッハ空間の幾何構造の研究として、James定数についての研究が,かなり進んだ。James定数が√2を持つバナッハ空間が思いがけなく,3次元以上では内積空間のみであることが解明されたの大きな結果である。バナッハ空間における直交分解の概念は、漸く、直交性の概念が色々な角度から研究が進められており、これからの中心的な課題になると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
バナッハ空間においては、多くの直交性の概念が導入されており、これらの比較検討して、部分空間の直交分解を考察する。また、この研究と関連して、直交作用素の理論の整理することにより、応用しやすい理論の構築を目指したい。また、応用として、非拡大写像の不動点理論の研究に一石を投じたい。
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Causes of Carryover |
使用が3月下旬から4月上旬になったため、決算が次年度になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3月下旬の収支決算に間に合わなかったものがあり、また、研究打ち合わせのため出張が4月上旬になったためである。使用残額の殆どが現在使用済みである。
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Research Products
(29 results)