2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis for paths of Markov processes via semi-Dirichlet forms
Project/Area Number |
15K04941
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上村 稔大 関西大学, システム理工学部, 教授 (30285332)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | semi-Dirichlet 形式 / 加法汎関数 / マルコフ過程 / 均質化問題 / Mosco 収束 |
Outline of Annual Research Achievements |
不純物とみなせる領域上で定義される,飛躍を持つ拡散過程(ジャンプ拡散過程と呼ぶ)や,飛躍型のマルコフ過程の経路の性質について考えた.2018年度は,均質化法と呼ばれる問題を考えた.具体的には,対応する生成作用素である局所作用素(楕円型偏微分作用素)に非局所作用素(微分積分作用素)を加えた作用素,あるいは非局所作用素そのものに現れる係数の条件を用いて均質化法の導出をを行うことを目的とした.これまで,PDEにおいては,周期性を持つ場合は,調和平均が極限として現れることは知られていたが,非局所作用素(飛躍型確率過程が対応する)においては,係数の平均そのものが現れることが判明した.これは,PDE(拡散過程が対応する)の場合とは根本的に異なる振る舞いをすることになり,これまでにない結果といえる.この結果は,ドイツドレスデン工科大学教授 R. Schilling 氏とともに,年日本数学会2019年度年会の統計数学分科会において発表した. また,ジャンプ拡散過程については,生成作用素は,偏微分作用素と微分積分作用素の和として書き表されるが,それぞれの係数に周期性がある場合について検討を行ってきている.極限は,拡散係数(偏微分作用素の係数)のほうは,effective matrix とよばれる,調和平均に対応するものが,Levy 密度の係数(微分積分作用素の係数)は,その平均が現れ,混在した極限が現れることが分かってきた.この結果は,2019年1月に新潟県長岡市で開催された,科研の補助を受けた研究集会「マルコフ過程とその周辺」において発表した.
|
Research Products
(5 results)