2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exact analysis of quantum correlation and its application to quench systems
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15K05208
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
鈴木 淳史 静岡大学, 理学部, 教授 (40222062)
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2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 量子転送行列法 / 量子系ダイナミクス / 厳密WKB法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、有限温度量子系の相関関数に対して、量子転送行列法および完全WKB法に基づいた定式化を用いることにより、新しい定量的な方法論を確立し、これにより低次元量子多体系のダイナミクス、緩和現象などに新しい知見を得ることである。昨年度までに終えた定式化を利用し、今年度は具体的な模型に応用する予定あったが、その方法論に、論理的なギャップが存在することが判明したため、数学者である研究協力者とともにこれを埋めることに従事した。 具体的に示された内容は (1)トロッター極限と熱力学的極限の可換性(2)量子転送行列の最大固有値状態がユニークに存在すること。(3)量子転送行列の固有状態を記述する非線形積分方程式(NLIE)の存在とその解がユニークに決まること。(4)量子転送行列の最大固有値に対応するNLIEの具体形の同定と対応する最大固有値の評価、などである。(1),(2)に関しては量子転送行列法の創始者であるM. Suzukiにより具体的な模型に依存しない形で議論されていた。さらに一次系量子XXZ模型の場合、KomaによりXX模型という特殊なケースの場合、証明が与えられている。 今年度の研究で、高温極限に限ってであるが一般の異方性の値で、これらを厳密に示すことに成功した。これには量子転送行列のスペクトル分解と、展開各自数の評価を行う必要があった。(3)に関しては不動点定理を応用することにより証明が可能であった。これらの結果はすでにプレプリントとして公開され(arXiv:1811.12020)、また学術雑誌に投稿中である。
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