2015 Fiscal Year Research-status Report
日平均および気候平均気温グリッドデータに対する高地観測データ入力の重要性の評価
Project/Area Number |
15K05291
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
安富 奈津子 総合地球環境学研究所, 研究高度化支援センター, 助教 (20548218)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 気候平均気温変化 / 気象観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
気象観測データに基づくアジアの日平均気温グリッドデータの作成に関して、観測の高地データが多く入力されることによって、気候平均気温データにおいても、チベット高原やパミル高原など中央~南アジアの高地で平均で1~2度、最大で5度ほど、これまでに作成されている気温データセットと比較して高い値になることがわかった。この成果を海外および国内学会で発表し、主にアジア域の研究者からデータ更新のリクエストなどの反響があった。2008年以降の観測データを収集し、ブータンなど未入力のデータを新しいデータに反映させるなど、再計算の準備態勢が整った。 また、研究代表者の異動に伴う準備のため、総合地球環境学研究所のデータ公開サイト(http://www.chikyu.ac.jp/precip)をより安全なものにし、研究内容も更新することができた。日本を代表する環境系データベースであるDIAS(データ統合解析システムhttp://www.diasjp.net)でのデータ公開も実現し、より多くのデータ利用者を得ることができた。 平成28年度からは、本研究と関連する研究課題として、データベース科研「アジアの高分解能地上降水量グリッドデータ」と地球環境研究推進費による「極端降水評価と気象解析のためのAPHRODITEアルゴリズムの改良」の二つが開始されるため、本研究との相互連携によって研究の進展、データの品質向上、利用者への波及効果が高まり、一層の研究の広がりが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に研究実績の一部を論文として投稿する予定であった。しかし、取りまとめるに当たってもう少し詳細な計算が必要となり、一方で計算機に支障が生じてしまったため、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、この成果をきちんと論文として出版することをできるだけ早く取り組む。並行して、28年度は海外へ行って研究協力や観測データを収集を進めたり、研究成果を発表したりする予定にしている。アジアの気象・水文・気候研究者と本研究について議論を深め、技術的な面でも連携したいと考えている。 データに関しては、気候平均気温の計算を進め、気候気温分布の精度向上に貢献する。
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Causes of Carryover |
研究成果を論文にするための投稿料、英文校閲経費が未支出になっているため余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、海外への観測データ収集、研究成果紹介、気象当局者とのディスカッションのため旅費を多く使用する見込みである。また、成果論文の投稿、出版を急ぐ。
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Research Products
(4 results)