2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Novel Main Group Compounds Containing Tautomerizable Double Bonds
Project/Area Number |
15K05439
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
箕浦 真生 立教大学, 理学部, 教授 (30274046)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 元素化学 / 典型元素 / 有機元素化学 / ケイ素 / 硫黄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、互変異性可能な高周期典型元素不飽和化合物の創製を目指して、第2周期元素 に限られていた化学結合の理解の拡張と学術的知的再生産を行うことを目的としている。これまでに互変異性化に必須となるα位に水素を有する嵩高い置換基を開発し、その合成と高周期元素の導入を行った。トリプチシル(Trp)骨格を拡張し、かつメチレン基を有する嵩高いTrp*CH2基を新規アルキル立体保護基として用い、α位に水素を有するケイ素―硫黄二重結合化学種であるシランチオン、ならびに中間体として得られるケイ素上にCH2基を有するシリレンの合成検討を行った。嵩高いTrp*CH2基とTrpを用いてシランチオンの前駆体となるテトラチオシロランを複数種類合成し、ケイ素上の置換基がTrp*CH2, Trpの組み合わせの時に、溶液中安定なシランチオンに誘導することに成功した。α水素を有するシランチオンの単離には至っていないが捕捉反応により付加環化成生物を得た。また、前駆体に相当するシリレンは溶液中で二量化を起こし、対応するジシレン(R2Si=SiR2)を熱的に極めて安定な化合物として与えた。これは電子的摂動を受けていないテトラアルキルジシレンの初めての単離例であり、立体保護効果を減少させるメチレン基を導入しても高い安定性を有することから、ケイ素上に導入したTrp*CH2基の噛み合いによる有効な立体保護効果の発現によるといえる。 これらの新規知見に基づき、開発したアルキル置換基を立体保護基として活用する新しい典型元素化学種の合成を行い、性質解明は基より高周期元素を含む反応開発へ応用する。
|
Research Products
(15 results)