2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05492
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
原 賢二 東京工科大学, 工学部, 教授 (10333593)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 触媒 / 単分子層 / マイクロ流路 / 有機合成 / 金属錯体 / 金表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者らがこれまでに見出した平滑な金属基板表面上にデザインした金属錯体を精密かつ高密度に単分子層として集積することにより発現する特異な触媒機能をマイクロ流路中で利用して、汎用的かつ有用な新規物質変換デバイスを開発している。特に、マイクロ流路の利用による接触効率の向上に伴う触媒性能の向上と迅速な触媒のスクリーニングを達成することを目標としている。本研究を通して、これまでに独自に確立した触媒調製技術を、重要な医療や機能性化合物およびそれらの合成中間体の効率的合成や診断・投薬技術などで貢献しうる革新的な技術へと展開できると期待される。 本年度は、新しいナノ構造構築の鍵となる有機分子を新たに設計し、合成を行った。さらに、活性となる金属種についても多様な種類の化学種を検討し、固定化を実施した。また、本手法で作製するデバイスを適用する触媒反応については、これまで検討を行ってきた有機合成反応に限らず、将来的に医療へも応用する可能性を考慮して、生体関連反応への適用についても検討を行った。 これらの成果の一部を、国内外の学会などにおいて発表して、同分野の研究者と議論を行ない、研究遂行に関する有用な情報および意見を得た。また、国内外の研究者との共同研究に関する議論も行った。 今後は、新たに作成した有機分子を介したナノ構造の作製、マイクロ流路への組み込み、生体反応を含む種々の物質変換反応を実現するデバイスとしての開発を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りにおおむね実施できていると判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づいて推進する。加えて、設計した有機分子を介したナノ複合構造の構築にも注力する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の一部を既に所有している試薬や実験器具を用いて遂行したため、実際の使用額が当初予定した使用額を下回り、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費160万円(試薬類90万円、ガラス器具類30万円、実験消耗品30万円、ガス代10万円)、国内旅費40万円(研究代表者の成果発表、情報収集)、国外旅費40万円(研究代表者の成果発表、情報収集)、英文校閲6万円
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