2017 Fiscal Year Annual Research Report
White-color luminescence from a single material with harmony between order- and disorder-structures of luminogen aggregates
Project/Area Number |
15K05613
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
堤 治 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00313370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 重之 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 助教 (10612252)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発光 / 高分子 / 液晶 / 錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,単一の発光団のみから白色発光を得られる材料の開発に取り組んだ。これまでに,発光性金錯体を側鎖に導入した高分子液晶が白色発光を示すことを明らかにしてきた。詳細な検討の結果,金原子を含まない非常にシンプルで一般的な有機発光団においても白色発光が得られることが明らかになった。そこで,いろいろな構造の発光団を高分子液晶側鎖に組み込んで,発光挙動を観察した。その結果,1)ベンゼン環に直結したアセチレン部位(エチニル基)が発光団の分子構造上の重要な構成要素であること,2)このような発光団をネマチックあるいはスメクチック液晶配向をとらせること,の二点が白色発光を発現するための必要条件であることを見いだした。 このような知見に基づいて設計・合成した材料から,単一の発光団しかもたない単一の高分子化合物のみから純粋な白色発光が得られた。また,発光機構についても考察を行い,1)白色発光はモノマー発光に加えて励起状態会合体からの発光が含まれる,2)ネマチックあるいはスメクチック液晶相において発光団を一軸配向させることで励起状態会合体の形成が促進される,3)しかしながらネマチックあるいはスメクチック液晶相では発光団の位置に関する秩序性がないためにいろいろな構造の励起状態会合体が形成され,これらはそれぞれ異なる波長(色)で発光する,4)その結果発光帯が可視光領域に全体に広がった白色発光を示したと考えた。 以上のように,本研究によって,発光団の凝集構造を適切に制御することで単一の発光団のみから白色発光が得られることを見いだした。また,白色発光材料の分子設計指針に加え,分子凝集構造の設計指針も明らかにし,今後の発光材料の材料設計に対する重要な指導原理を得ることができた。
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