2016 Fiscal Year Research-status Report
ドメイン及び界面制御を指向したブロック共重合体の創製と有機薄膜太陽電池への展開
Project/Area Number |
15K05661
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻野 賢司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10251589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / ブロック共重合体 / ドメイン配向 / 界面制御 / ミクロ相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、合成に成功したペリレンジイミドを接合部に含むポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT) とポリジメチルシロキサン(PDMS)のブロック共重合体の素子特性を中心に検討した。ペリレンジイミド単位を含まないP3HT-b-PDMSで最も高い効率を示した共重合体(PDMS含量:9.6wt%)を比較対象とした。ペリレンジイミドを含むポリマーの場合、電流密度が5%程度、開放電圧もやや増加し、効率が3.24%から3.52%に増加した。一方、ペリレンジイミド単位を含まないP3HT-b-PDMSにペリレンジイミドのモデル化合物をドープした系においては、ほぼ効果が見られなかった。PCBMとの相界面にペリレンジイミド単位が存在することが、効率の向上に効果的であることが示された。また、複合膜のUVスペクトル測定から、ペリレンジイミドを含むブロック共重合体を用いることでP3HTドメインの結晶性が増大することが示された。原子間力顕微鏡による観察ではドメインの微細化が認められ、薄膜形成時の早い段階で結晶化が進行することでドメインサイズが小さくなったことが予想される。ポリスチレンをセカンドブロックとする共重合体については、まず、末端アミノ基を有するポリスチレンを原子移動型ラジカル重合で合成し、引き続きペリレンジカルボン酸無水物からペリレンジイミドを末端に有するポリスチレンを合成した。その後、片末端に臭素を有するP3HTとカップリングし、目的とするブロック共重合体が合成できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とするブロック共重合体の合成及びそれを活性層に用いたデバイス評価を行うことができた。また、もう一つの目的のブロック共重合体であるポリスチレン含有ポリマーについても合成方法を確立できたので、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
PDMSを有し、ペリレンジイミドを接合部に配置したブロック共重合体をベースとしたデバイスに対して、活性層の作製法、後処理法(熱や溶媒によるアニール)を最適化して、薄膜の構造とデバイス特性の関連を明確にする。ポリスチレン含有のブロック共重合体についても同様の手法で評価する。
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