2015 Fiscal Year Research-status Report
新規異種材料射出溶着法の開発 ―中間層マテリアルデザインのための制御指針解明―
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15K05681
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
境 英一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (70581289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
きゅう 建輝 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 接合 / 材料設計 / 物性 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,中間層射出による新規異種プラスチック溶着法の開発を大きな目的としており,化学構造・熱物性・モルフォロジー・高次構造を制御した中間層マテリアルデザインを達成するために,平成27年度は種々の異種プラスチック接合体の接合強度に及ぼす中間層構造のモルフォロジーおよび高次構造の影響を解明することを達成目標とした. 平成27年度は,非相溶な組み合わせの中でも比較的接合が容易なPC-PMMAと接合困難なPOM-PMMAを接合対象とし,中間層材料には各々のブレンド材を用いることとした.ブレンド材は,PC/PMMAの場合,ブレンド比をPC:PMMA=95:5, 75:25, 50:50, 25:75, 5:95とし,POM/PMMAの場合,ブレンド比をPOM:PMMA=95:5, 75:25, 50:50, 25:75, 5:95として,二軸押出機を用いた溶融混練により作製した. 結果として,PC-PMMA接合の場合,中間層PC/PMMAブレンドにおけるPMMAの割合を0~25wt%まで増やしていくと,接合強度が向上していき,最大強度約49MPaを示し,それ以上の割合では低下傾向を示すことがわかった.すなわち,中間層をPC/PMMAブレンドにすることで,両母材の物性差を緩和することができていることが推測される.また,その断面の顕微FT-IRマッピングを行った結果,接合対象であるPC,PMMA特有のピークが中間層材料にも現れ,そのピーク強度の差が小さいとき,最も高強度を示すことが分かった.POM-PMMAについては,中間層POM/PMMAブレンドにおけるPOMの割合が95wt%となるとき,最も高い強度を示す結果となり,高強度を示す中間層の構造についてはPC-PMMAとほぼ同様な傾向が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は,種々の異種プラスチック接合体の接合強度に及ぼす中間層構造のモルフォロジーおよび高次構造の影響を解明することを達成目標とした.「研究実績の概要」にある通り,本年度は中間層射出による新規異種プラスチック溶着法により種々の異種プラスチックの接合を検討した結果,接合強度と中間層構造との関係を明確にすることができたため,この目標については達成している.さらに,来年度の目標でもある「接合界面構造形成機構の解明」についても既に着手済みであり,大まかなデータを得ることができている.このため,「当初の計画以上に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度の知見を活かして中間層を調整(特に可塑剤や相溶化剤の添加)し,その特性を,特に固体動的粘弾性測定(現有)による分子レベルの熱的力学特性評価から判定する.さらに,原子間力顕微鏡(AFM,現有)や超微小硬度計(現有)により,接合体界面近方や凍結破断面の微小領域力学特性マッピングおよびイメージングを行い,相互拡散性を評価する.以上より,接合界面構造の形成機構を推定し,特にその形成過程における中間層のモルフォロジーと高次構造の役割を明確化する.
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Research Products
(4 results)