2016 Fiscal Year Research-status Report
確率論的シミュレーションと電気計測のデータ同化によるLCM含浸推定と制御への展開
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15K05691
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松崎 亮介 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 講師 (20452013)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 複合材料 / データ同化 / 樹脂含浸 |
Outline of Annual Research Achievements |
複合材料樹脂注入成形(LCM)において,計測や数値シミュレーション単独では非常に困難であった3次元樹脂含浸と浸透係数分布の高精度推定を目的とする.この目的を達成するため①データ同化を用いて,浸透係数分布の不確かさを考慮した確率論的樹脂含浸シミュレーションによる予測と,電気容量計測を統合する.②数値実験を通して,異なる条件の下で樹脂流れと浸透係数分布の推定を行い,推定誤差の定量的な評価にもとづき推定性能向上に必要なデータ同化パラメータ設計指針を提示する.さらに③LCM実証試験を行い,独自の樹脂流動制御システムに接続することで実験計測と数値シミュレーションを確率論に基づいて融合させた全く新しい最適成形技術を実現する. 昨年度までは平板を対象に数値実験を行い,データ同化の実装方法や各種パラメータの影響を調査した.しかし,実際の製造現場への適用を考慮した場合,曲面形状など測定領域が平面でないことも想定される.そこで本年度は,このような複雑構造を有するモデルに対して提案手法を適用し,有効性を検証した.推定対象となる真値は曲面を有するモデルとする.このモデルに対して,確率論的に浸透係数場を与える.なお,真値生成の不確実性を考慮して真値の生成は3回行い,それぞれの樹脂含浸挙動及び浸透係数を推定する.特に画像分解能と推定精度の関係について調査した.その結果,曲面形状を有するモデルに対して提案手法を適用することで,適用限界を明らかにして実用に資するための知識基盤を深めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平板だけにとどまらず,曲面構造など現実的な構造に対する適用性検討が進んでおり,おおむね順調に進展と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,データ同化における推定誤差低減手法を複数実装し,VaRTMのフローモニタリング手法への有効性を検証する.さらに,提案するフローモニタリングシステムの構成要素が推定性能に与える影響について検討する.
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Causes of Carryover |
成果発表のための旅費を支出しなかったため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は国内および国際会議発表などの旅費経費として使用する.
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