2015 Fiscal Year Research-status Report
加工面形状計測に基づくエンドミル切削抵抗のモデルベース実時間推定手法の開発
Project/Area Number |
15K05711
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
金子 順一 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (80375584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 一恭 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60361391)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 切削抵抗 / 予測 / 除去領域 / 非接触計測 / シミュレーション / 切削抵抗 / エンドミル加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の本課題では、提案手法の有効性を検証するため、まず、Ⅹ軸、もしくはY軸方向に直線的な工具送り運動を与えられたエンドミル工具を対象として、連続的な加工対象物の表面形状の非接触計測を行うための手法の検討を行った。光切断法と高速CCDカメラによる反射光の撮影と、その情報をもとにした断面形状測定のアルゴリズムを開発し、加工直前の加工面形状を3次元表面座標として導出可能であることを確認した。また、この表面形状情報と工具形状との干渉状態を推定することによって、エンドミル工具の加工対象物に対する半径方向、軸方向の各切込み深さを導出し、これをもとに高精度に切削三分力を推定するシステムの開発を行った。 研究実施計画における各段階の進展状態は以下の通りとなる。 ① 工具通過直前の加工対象物表面の高速・非接触な計測手法の開発 本課題では、2次元断面の積層による三次元点群情報の取得手法の実現に成功し、加工対象物の形状を加工直前に把握することを可能とした。一方で、取得の時間間隔についてはカメラおよび画像処理の制約から一回あたり100msec程度と遅く、形状モデルの更新速度について改善が必要となる。 ② 工具切れ刃による加工対象物の除去状態推定手法の開発 本課題では、工作機械のNCコントローラから得られる運動情報から、工具の実送り速度の推定、および工具切れ刃部における切込み深さを高精度に推定する計算機モデルの開発を行っている。27年度はNC工作機械を構成する複数軸のうち、ある1軸が単独で運動する直線経路を対象としたモデルを開発し、これを試作システムに適用することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題において、27年度の実施目標のうち、①の「工具通過直前の加工対象物表面の高速・非接触な計測手法の開発」についてはアルゴリズムの開発を完了しており、今後は複数軸が同期して運動する場合の形状処理への発展と、処理の高速化を実施する予定としている。 ②の「工具切れ刃による加工対象物の除去状態推定手法の開発」についても、大きな切削抵抗作用が必要となる高送り条件での予測については、1軸が単独で駆動する条件については適用できているものの、NC工作機械を用いた金属加工で特徴となる複雑形状創成時の微小線分分割を伴う多軸同期運動には現在対応できておらず、今後の手法拡張が必須になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度の研究計画では、まず前年度に実施した①および②の課題について、複雑形状創成時に課題となる複数軸の同期運動、および微小線分分割を伴う工具経路への手法の対応を進め、実験を実施する予定としている。また、それと並行して実験対象となる工作機械を汎用フライスから3軸同期運動が可能な縦型マシニングセンタに変更し、実施計画の③で示していた「同時3軸制御加工を対象とした実時間推定システムの開発および実証実験」を早期に実施する予定としている。
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