2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05745
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Research Institution | Akita Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
赤上 陽一 秋田県産業技術センター, その他部局等, その他 (00373217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 竜太 秋田県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (00634213)
久住 孝幸 秋田県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (40370233)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スラリー / 基板研磨 / 電界活性化 / 砥粒 / ゼータ電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、次世代電子デバイスを実現するための基板として優れた生産効率の富み超高品位に仕上げられるシリコン基板やガラス基板等が希求されている。 従来の仕上げ技術では、機械的な作用と化学的な作用を兼ね備えたCMP (Chemical Mechanical Polishing)が用いられている。その研磨砥粒にはナノオーダーのシリカ粒子を安定分散させる溶媒に分散させたコロイダルシリカスラリーが用いられている基板製造技術において鍵となる消耗部材である。 一方,コロイダルシリカスラリーは,循環方式での純度の低下や長期保存・保管によって、砥粒が沈降し凝集することによって、その分散性が低下して、最終仕上げ面に必要な品位が劣化するとともに期待している研磨効率が得られない。 そこで、コロイダルシリカスラリーに電界を印加することによって、シリカ粒子の帯電性や溶媒の接触による物理的な刺激を与えることで、凝集を抑制し分散性を復帰させることで、研磨特性の向上技術を開発することを目的としている。本年度は、効果の兆しを得るために研磨装置のスラリー供給ノズルに先端部に高圧電界を印加可能な機構を具備させ、電界活性化コロイダルシリカスラリーを得る試みについてその結果を2016年精密工学会にて発表した。 H27年以降は、さらに凝集を低下抑制させる技術として砥粒同士の接触を加速させる撹拌技術について検討を加える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を立案時に想定していた電界を印加したコロイダルシリカスラリーの挙動の一端が得られたことは極めて有意義である。今年度は、特定の印加電圧4kV、液の運動が活発になるような矩形波を採用した。 ゼータ電位の制御技術として溶媒のpHに変化を与えることが知られている。本研究では電界制御を外部より与えることで、pHを変化させずにゼータ電位を制御させることが可能なことを確認できた。すなわち電界を用いてスラリーの化学変化はそのままにして、砥粒の分散性制御が可能な新たな知見を得られたことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
まさに電界活性化スラリーの技術の出現である。今後は、新たにゼータ電位制御技術、すなわち砥粒分散技術の一つとして与える周波数を検討し、最適な粒度分布が得られる方法を得ること。また、スラリー溶媒の化学依存性を縮小させて自然にやさしい半導体技術への指針が得られることで新たな半導体技術として半導体産業に貢献する技術に仕上げて参りたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、高電圧印加装置を主に開発するための人件費に多く充当した。これは、将来のものづくりに貢献するためにも、安価な装置で構成させるための道筋をつけるためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度もさらに波形の立ち上がりや発生する周波数のレンジを拡大する技術を盛り込みつつ、電界印加スラリーの制御技術を得ていく。
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