2016 Fiscal Year Research-status Report
高解像度2平面ステレオPIVと大規模DNSの融合による3次元リブレットの最適化
Project/Area Number |
15K05785
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩本 薫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50408712)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乱流 / 抵抗低減 / PIV / 直接数値計算 / リブレット |
Outline of Annual Research Achievements |
革新的な3次元形状を有する微細な溝(リブレット)を考案し,乱流摩擦抵抗の低減効果を直接数値計算,及び室内実験を用いて解明することを目的として,以下の二項目を実施した. ・平行平板間乱流の直接数値計算(DNS)の実施 溝間隔が流れ方向へ正弦波状に変化する3次元リブレット形状を有する平行平板間乱流の世界最大規模のDNSを実施した.リブレット形状を規定するパラメータは,リブレットの高さ,幅,振幅,波長,及びスパン方向の平均間隔の5つであり,最適化により最大9.8%の抵抗低減効果を確認した.本形状の拡大・縮小部にそれぞれ下降流・上昇流が誘起され,乱れの主要因であるレイノルズ応力が減少し,その結果高い抵抗低減効果に繋がった.また,リブレット近傍の渦の追跡を統計処理した結果,渦は誘起される流れに沿って移流し,また渦の強度は減少した.これらにより,リブレット拡大部における高壁面せん断領域が局在化され,本リブレットにより高い抵抗低減効果が得られることが分かった. ・平行平板間乱流の室内実験の実施 DNSで得られた最適な3次元リブレットを平行平板間流路に設置し,抵抗低減効果を評価した.前年度では低レイノルズ数における抵抗低減効果を確認したが,本年度では平行平板間距離を倍に変更した装置を作成し,レイノルズ数依存性を評価した.その結果,粘性スケールで規格化したリブレット寸法が同一であれば高い抵抗低減効果を得ることが分かった.また,レイノルズ数が増加すると微小ながら抵抗低減効果が減少し,過去の知見とも合致する結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載された本年度の研究実施計画を全て実施したため.
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Strategy for Future Research Activity |
直接数値計算では,リブレット形状のさらなる最適化を実施する.具体的には,現状の長方形断面を三角形等に変更し,抵抗低減効果の断面形状に対する依存性を評価する.室内実験では,高レイノルズ数乱流場における高解像度2平面ステレオPIVを実施し,革新的な3次元形状を有する本リブレットのレイノルズ数依存性を実験的に明らかにする.
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