2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pseudo-catalysis reaction at a plasma interface
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15K05833
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野村 信福 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (20263957)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 液中プラズマ / バイオマス / セルロース分解 / リグニン / 水素 / 超音波 / 芳香族 / グルコース |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素(BTX)やフェノール化合物は,基礎化学製品の原料として重要な役割を果たす。メタノールにリグニンを溶解させたリグニン溶液を,27.12 MHzの液中プラズマで分解し、芳香族化合物を生成した。ガスクロマトグラフィー(GC),ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)によって,生成気体と溶液中に含まれる分解生成物を特定した。プラズマ照射後の液体からはベンゼン,トルエン,フェノールが生成され,これらの生成物の量はリグニンの濃度とともに増加する。 発光分光スペクトルからHα(656 nm),Hβ(486 nm),OH(306 nm),CH(431 nm),CO(250-650 nm)およびC2(460-480 nm,500-515 nm)が観測された。 このメカニズムを確認するために、メタノールにベンゼンを混和させた溶液をプラズマ分解した結果、フェノールとトルエンが生成することが明らかになった。リグニン溶液のプラズマ分解によって、ベンゼンが生成し、これにCH3ラジカルとOHラジカルが反応することで、トルエンとフェノールが生成される。また、リグニンを液中プラズマで分解すると、これらの生成物とは別に、H2,CO,CH4,C2H2,CO2,C2H4などの燃料ガスが発生する。 次に、セルロースをグルコースに単糖化するプロセスとして、超音波ホーン型振動子を水底に重ねたろ紙に加圧する方法を検討した。セルラーゼを投入し、超音波を照射すると、未照射の場合と比べてグルコースの生成量は約2.7倍増加した。超音波はセルラーゼによるセルロースの分解時間を短縮する効果がある。セルラーゼをプラズマ反応場に投入し、同様の分解プロセスを実現できれば、プラズマ触媒反応によるセルロースの単糖化プロセスが実現できる。
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