2015 Fiscal Year Research-status Report
高い把持性能を有する長く柔軟な指をもつ軟性内視鏡用細径鉗子
Project/Area Number |
15K05908
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 大樹 埼玉工業大学, 工学部, 准教授 (60377819)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソフトメカニクス / フレキシブルメカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,軟性内視鏡用細径鉗子による表面が滑りやすい大きな臓器の安定した把持を可能とする機構として,軟性内視鏡の細く長い鉗子用管路を通過可能な長く柔軟な指をもつ把持機構と,その指の長さと把持力の間のトレードオフを克服する柔軟指の受動的変形様相制御機構の設計を検討し,開閉量,対象物への接触面積,最大把持力,および管路内収納状態での曲げ性能を評価した両機構の最適構造条件を明らかにすることである. 本年度は,軟性内視鏡の細く長い鉗子用管路を通過可能な柔軟把持機構の設計の検討として,柔軟把持機構の弾性大変形解析を行い,数値シミュレーションを通じて以下の3つを明らかにした. 1.細い鉗子用管路内へ収納可能な柔軟把持機構の幾何学的条件の解明のため,細径管内への収納シミュレーションを行い,細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の形状,寸法,および幾何学的境界条件のクラスを明らかにした. 2.細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の幾何学的条件のクラスに対し,臓器を模擬した対象物の把持シミュレーションを行い,柔軟把持機構の幾何学的条件と把持性能との関係を明らかにした. 3.細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の幾何学的条件のクラスに対し,曲がり管路内通過シミュレーションを行い,柔軟把持機構の幾何学的条件と細く長い管路を通過するための収納状態での曲げ性能との関係を明らかにした. 以上の結果から,軟性内視鏡の細く長い鉗子用管路を通過可能な柔軟把持機構の構造と性能の関係を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画である「細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の構造と性能の関係の解明」をおおむね完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,今後,以下の研究を実施する. 1.細径管内へ収納可能な受動的変形制御機構の構造と性能の関係の解明 2.細径管内へ収納可能な柔軟把持機構と受動的変形制御機構の最適構造条件の解明 研究遂行上の課題として,柔軟把持機構の試作方法の検討がある.本年度に得られた結果から軟性内視鏡用細径鉗子への要求に最適な構造条件を明らかにし,その性能を試作機により実証することを計画しているが,本年度に得られた結果の中には,サイズの小ささから試作方法のより詳細な検討が必要となる構造がある.最適構造が試作困難なケースの対応策として,最適構造条件を試作可能なクラス内に制限する,あるいは最適構造条件を試作可能なサイズまで拡大した試作機を製作して性能評価を行う.
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Causes of Carryover |
当初,次年度に実施する実証実験に必要な装置等を予想し,本年度中に購入するよう計画したが,本年度に得られた結果から,試作機製作方法のより詳細な検討の必要性が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試作機製作方法のより詳細な検討を行い,実証実験に必要な装置等の見直しを行った後,装置等の購入を次年度に行うよう使用計画を変更した.
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