2017 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental studies and applications of electrical and spin properties in narrow gap semiconductors
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15K06000
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
眞砂 卓史 福岡大学, 理学部, 教授 (50358058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴崎 一郎 公益財団法人野口研究所, 顧問 (10557250)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ホール効果 / 微小磁気測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、FFT解析が可能なオシロスコープを導入し、高感度InSb薄膜ホール素子について、ノイズのパワースペクトルついての検討を行った。10 kHz以下で1/fノイズが観測され、周波数が高くなるにつれてノイズのパワースペクトル密度は小さくなるため、数kHzでホール素子を駆動すれば、ノイズの低減につながると考えられる。電源として、商用電源のタップから直接とった場合と、電源を安定化した場合を比較した結果、電源を安定化した場合は10 Hz以下でノイズスペクトルは1/fの依存性からはずれ、スペクトル密度が低下した。これは低周波におけるノイズが小さくなることを示しており、直流測定に近いところではノイズがほぼ一桁下がることが期待できる。オシロスコープ波形においても、バーストノイズが顕著に少なくなっており、電源のクリーン化は非常に重要であることが分かった。また、ノイズパワースペクトル密度の入力電流依存性は、入力電流の低下に伴い1/fノイズのスロープ部分の傾きをほぼ保ちつつ低周波側に移動し、各周波数におけるノイズのパワースペクトル密度は入力電流に比例して減少することが分かった。バルク導体の抵抗から発生する1/fノイズのパワースペクトル密度は、経験的にHoogeの式で与えられることが知られているが、ホール素子においてもノイズの入力電流依存性はHoogeの式に従っていることが分かったため、さらなるノイズの低減には動作領域の実効的なキャリア数を増加すればよいことが示唆される。 スピン注入技術においては、スピン波の励起についてアンテナ幅の依存性を検討したが、実験では予想と反する結果が得られていた。マイクロマグネティックシミュレーションを用いて検討を進めたところ、アンテナ形状を変えることにより変化した面直励起磁場と面内励起磁場の強度関係を反映していると考えられ、概ね実験を説明できる結果が得られた。
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