2017 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of LSIs' yield by Adaptive Supply Voltage Optimization
Project/Area Number |
15K06042
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧野 博之 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (50454038)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ばらつき / しきい値電圧 / ゲート酸化膜厚 / 適応的電圧制御 / 論理回路 / 集積回路 / プロセッサ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、本研究の最終年度としてこれまで開発した手法に対する有効性の検証に注力した。検証は大きく分けて以下の2つの手順で実施した。 (1)前年度に開発した論理回路の電圧最適化手法を種々の論理回路に適用した。具体的には、前年度に行った8ビットリップルキャリ加算器に加えて、32ビットリップルキャリ加算器および32ビットキャリルックアヘッド加算器に対して、閾値電圧Vthとゲート酸化膜厚Toxの測定値と最適電圧を関連付けるテーブルを作成し比較した。これにより、回路構造や回路段数の違いによって最適電圧が少しずつ異なることが確認され、本手法の適用によりきめ細かい電圧の最適化が可能であることが示された。 (2)上記(1)の成果と以前の科研費研究(No. 23560423)の研究成果を合わせて、論理回路とSRAMを含む一般的なLSIに対して本研究の効果を確認した。具体的には、32ビットリップルキャリ加算器、SRAM回路および電圧発生回路をすべて一体化した回路を設計し、種々のVthとToxに対して最適な電圧を与えることにより、従来では動作不可能であった回路が動作可能になることをシミュレーションにより確認した。なお、SRAM回路および電圧発生回路については科研費研究(No. 23560423)において開発した回路を流用した。 以上の検証によって、本研究成果を用いれば、どのようなLSIにおいても製造後に最適電圧を与えることで、従来は動作不良となっていたチップを救済することができ、動作歩留まりを向上させることが可能であることが示され、本研究の有効性を示すことができた。 なお、研究に当たっては、HSPICEによる大規模回路のシミュレーションを行う必要があるため、前年度に引き続きHSPICE(Synopsys社製Japan University Bundle)を導入した。
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