2015 Fiscal Year Research-status Report
電界結合と磁界結合を考慮した結合共振型無線電力伝送理論の体系化
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15K06061
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 裕 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372539)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / 結合共振 / アンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
結合共振型無線電力伝送技術の実用化が期待され、多くの研究成果が発表されているが、その多くは従来からのパラーエレクトロニクス技術かマイクロ波技術のどちらかを学問的な基礎としている。本研究は、今後のさらなる技術の発展のために、それらの両方を包含する理論体系を確立することを最終的な目標としている。そのために、本研究課題においては、電力伝送を電界結合と磁界結合に切り分け、さらにそれらを伝送距離に依存するパラメータと依存しないパラメータに切り分ける。その上で、それらを等価回路で表現し、そのパラメータを決定する方法を明確にすることが本研究の目標である。 初年度の研究では、共振方式としては、単体で共振を発生させる自己共振型とキャパシタ装荷によって共振が起こるLC共振型について、電界と磁界の比を示す空間インピーダンスと等価回路パラメータの関係について定量的検討を行った。 また、共振器の結合における電界結合と磁界結合を制御する方法として、フォールデッドダイポール型共振器、2層スパライラル型共振器、シールデッドループ型共振器などを提案し、電界・磁界結合係数と空間インピーダンス分布の関係について議論を行い、電界結合と磁界結合が伝送効率に与える影響について検討を行った。 さらに、応用上の観点から、自己共振型が磁界だけでなく電界も結合に寄与することを積極的に利用し、単一導体を伝送路として電力伝送を行う方法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究に関し、解説論文1報と、国際会議3回の発表を行った。 また学会におけるワークショップなどで、研究成果を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究では、電界・磁界結合を積極的に制御する方法として、多様な共振器形状について検討を行った。これらの多くは、従来から、通信の分野において遠方界を送信・受信するための構造としてしようされてきたものをベースにしているが、近傍界領域で電力伝送のために使用するためには従来の理論はそのまま適用できず、新しい理論の構築が必要である。 今後は、これまでに蓄積されている遠方界通信用の各種アンテナを、近傍界で電力伝送のために用いた場合の特徴について体系化し、パワーエレクトロニクス工学と高周波工学を包含する無線電力伝送工学の確立を目指して行きたい。
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