2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K06338
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤田 浩司 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (40513536)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 床下暖房 / 模型実験 / 数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基礎断熱住宅の床下空間をエアコンの温風で暖める床下暖房について、ヒートショック防止上必要な空間の床下のみを在宅時のみ暖房する、部分・間欠型床下暖房の設計・運用方法を提案することを目的としている。設計方法としては、地盤表面および基礎の適切な断熱厚さ、床下エアコンの暖房能力の選定方法、床下の気流制御方法を提案し、運用方法としては、外気温や隣接空間の暖房状況に応じた予熱時間の算定方法を提案する予定である。 平成27年度は、これらの検討に用いることができる数値計算モデルを作成し、その妥当性確認の比較対象とするための地盤も含めた縮小模型実験を行った。 数値計算モデルは、床下内部と外気はそれぞれ1質点とし、基礎壁体内は1次元熱伝導、地盤内部は3次元熱伝導としたものを前進型有限差分法で解くモデルを作成した。 縮小模型実験は、モルタルで作成した幅400mm、奥行400mm、深さ50mmの縮小地盤の上に、アクリル板で作成した幅200mm、奥行200mm、高さ50mmの縮小床下空間を載せたもので実施した。床下の地盤表面には厚さ5mmの断熱材を敷いた。床下に設置したニクロム線に通電することで床下内部の温度を上昇させ、床下と地盤内部の温度、床下から地盤表面の断熱材や基礎各部への熱流を測定した。また、各部の熱伝達率と、実験に用いたモルタル、アクリル板、地盤表面断熱材の熱伝導率、密度、比熱を別途測定し、数値計算に反映させた。 縮小模型実験の各部初期温度、外気温度、床下発熱量を入力条件として数値計算モデルで床下および地盤内部温度の時間変化を計算した結果、各部の温度は概ね再現されており、数値計算モデルの妥当性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、床下を複数のゾーンとし、各ゾーン間の移流を換気回路網計算で取り扱う数値計算モデルを作成する予定であったが、平成27年度は床下を1つのゾーンとした数値計算モデルを作成した。これは、隣接ゾーンが全て外気である条件が最も必要断熱厚さ、必要暖房能力が大きくなる条件であるため、平成28年度に行う予定の地盤表面および基礎の断熱厚さの検討や、床下エアコンの暖房能力の選定方法の検討のためには、床下は1つのゾーンで十分であったためである。 しかし、平成29年度に行う予定の隣接空間の暖房状況などに応じた予熱時間の検討のためには、床下を複数のゾーンとして計算できる数値計算モデルが必要であるため、そのためのモデルを平成28年度に作成する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に作成した数値計算モデルを用いて、地盤表面および基礎の断熱厚さ(熱抵抗)の検討、床下エアコンの暖房能力の選定方法の検討を行う。さらに、廊下やトイレなどの狭小空間の床下にエアコンの温風が十分に行きわたるようにするための床下気流制御方法の検討を数値流体解析(CFD)を用いて行う。 平成29年度は、外気温、暖房開始時の地盤温度、隣接空間の暖房状況に応じた予熱時間の算定方法を検討する。
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Causes of Carryover |
消耗品等で端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の残額を含め、平成28年度も交付申請時の計画通りに予算を執行する予定である。
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