2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the influence of living environment accompanying opening of Hokuriku Shinkansen railway
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15K06341
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
森原 崇 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10413767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90322023)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会調査 / 北陸新幹線 / 量ー反応関係 / 騒音レベル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,2016年に実施した社会調査データと予測評価手法及び実測値により算出した騒音曝露量との関係を分析した。量ー反応関係として,量には最大騒音レベルと昼夕夜等価騒音レベルの2つを用い,反応には社会調査で得られたアノイアンスや生活活動妨害に対する5段階の評定を高反応で回答した人の割合とした。騒音のアノイアンスについては,2016年調査及び2013年の長野調査を全体的にみると特定のレベル区間で2016年調査の方が反応は高い傾向がみられたが,在来鉄道の有無と車速で分類した回答者群の比較により既設在来鉄道の有無が反応に大きく影響していることが示された。オッズ比でみた場合もその影響は有意であり,音に対する敏感さの影響も有意であることが示された。生活活動妨害では在来鉄道が並走している地域の回答はどの妨害感においても騒音レベルによる反応は小さい結果であり,在来鉄道のない地域では騒音レベルと妨害感の高低に関連がいくつかみられた。特に就眠妨害や窓を開けられない不満との対応が強い傾向が示され,新幹線鉄道の運行時間帯の影響や在来鉄道の有無による生活習慣の違いが影響している可能性が示された。 これら結果は日本建築学会北陸支部大会で7月に報告する予定である。さらに調査対象地域において振動の実測調査も行っており,今後はこの振動レベルとの関係についても検討し,日本音響学会や日本騒音制御工学会などでの学会発表に加え,学術雑誌への投稿を準備している。本研究の知見は,環境省の告示から約40年が経過した環境基準の見直しの際に貴重な資料となると考えられ,省エネルギの観点から夏場でも窓を開けて過ゴスことが多くなってきた昨今では,屋外の騒音問題の検討は快適な生活環境を創造するために極めて重要な意義を持つ。
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