2015 Fiscal Year Research-status Report
地方都市の持続性危機に対するリジリエンスとしての内発的地域マネジメント
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15K06366
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
山口 邦雄 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (20457758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 一男 福島大学, 行政政策学類, 教授 (40323191)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 住民組織 / 人口減少 / 高齢化 / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の実績は,以下の通りである。 1.歴史的環境の維持・活用における地域マネジメント的な動きを把握するため,全国110の重要伝統的建造物群保存地区のなかから東北6県内の8地区と住民組織が保全・活用を旺盛に取り組んでいる10地区の計18地区を対象にアンケート調査を行った。その結果,重伝建地区の選定以前から11地区の住民団体が取組みを行っていること,人口減少が著しい傾向にありつつも①観光による賑わい,②地区内交流や生活文化の継承,③経済効果の面において,住民団体の活動が着実にプラスの影響を及ぼしていることを明らかにした。 2.田園集落における生産性の維持向上と生活文化の継承等の面からは,多面的機能支払制度を活用して取組む秋田県内1,024組織のなかから,42組織を抽出して活動概要を把握した。その上で,典型的な4組織について詳細ヒアリングを実施し,耕作放棄地の発生防止や非農家も参加した形での環境整備,地域団体交流が促進されていることを明らかにした。とりわけ横手市の樽見内地域資源保全委員会は,非農家も含む234名の個人会員と22の地域団体会員で構成するNPOが組織化され,「結い」の精神に基づき農業生産施設の維持や田園景観形成の活動のみならず,伝統行事の復活や保育園・小学生等との交流,さらに農業視察研修の受け入れなど,農村集落型の地域マネジメントが展開されていることを把握した。 3.中心市街地の衰退への対応への取組みに関しては東北6県内の21商店街を抽出し,また郊外住宅団地における高齢化・生活利便性の低下への対応への取組みに関しては東北6県内の4団地・5組織を抽出し,それぞれ既存資料から取組み経緯と概要および連携団体等を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テレポイントデータの扱いに難があり,当初に計画した取組み地区の立地特性に関するGIS上での分析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
商業統計調査の100mメッシュデータ化に固執せず,入手可能な500mメッシュデータを使い立地分析を進める。また,重要伝統的建造物群保存地区の調査対象を全地区に広げ,統計的分析が可能なサンプル数を確保する。 平成28年度は,都市レベルでの地域マネジメントの現在の位置づけの考察を行うことを目標としているため,現地ヒアリングとともに行政ヒアリングを実施して仮説検証に備える。
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Causes of Carryover |
扱いに難があるテレポイントデータの購入を控えたこと,それに伴い国勢調査等の電子データを未購入のこと,アンケート等の調査にあたり印刷・集計等を外注せずに学内で行ったことが次年度使用額が生じた大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分析・加工用のアプリケーションソフト2点の購入に70万円,国勢調査等の電子データの購入に60万円,現地調査・ヒアリングの旅費に70万円,その他物品の購入に30万円を計画する。
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Research Products
(2 results)