2015 Fiscal Year Research-status Report
博物館ネットワークによる近世大坂の建築史・都市史研究の構築と展示公開
Project/Area Number |
15K06401
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷 直樹 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 名誉教授 (40159025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 近世大阪 / 都市史 / 建築史 / 景観 / 博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世大坂の建築史・都市史の研究をさらに発展させるために、大阪の博物館・資料館に所属する学芸員のネットワークを構築し、当該機関が収集した関連資料のデータベースを作成して個々の研究を深化させるとともに、展示による情報公開を目指すことを目的としている。具体的には、景観研究、建築史研究、都市史研究の3つの研究班を立ち上げ、研究の深化と展覧会の企画を行うこととする。 平成27年度は、研究代表者が館長を務める大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)が蓄積した資料の整理を進めた。館蔵資料・寄託資料の中から、絵画資料や建築絵図、文献資料の撮影を行い、データの整理を行った。 また、景観研究班が準備が進めていた「淀川舟游」展の開催に協力し、関係機関が所有する資料調査とデータ収集を行った。京都国立博物館、大阪歴史博物館、摂南大学、大阪工業大学、大阪商業大学商業史博物館などの協力を得て、伊藤若冲筆「乗興舟」、円山応挙筆「淀川両岸図巻」の模本、田能村小斎筆「浪華大川眺望図」、佐野龍雲筆「住吉図」などが出陳され、データを収集した。展覧会では図録(80ページ)の編集を行い、図版ページの編集と総論、各個解説を分担した。大阪市立住まいのミュージアムの企画展示場では展示指導を担当した。 一方、建築史・都市史の研究班では、旧愛日学区の所蔵になる「建家取調図面」(明治19年作成)を取り上げた。同図の分析はすでに研究代表者等が行っているが、今回は、約800戸の間取りをコンピュータに入力し、個別の建物データだけでなく、連続平面図を作成して町毎の集住の様子をデータ分析し、さらに町並みを復元する基礎資料を準備することも視野に入れている。今年度は、9ヵ町の図面入力を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の収集及び写真データ化は順調に進展している。「建家取調図面」のチェックに手間取っているので、次年度は早期に委託を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は景観研究に大きな進展があり、資料収集やデータ分析、展覧会の開催を順調に行った。今後は、建築史研究と都市史研究の研究班の活動をより活発に行い、大阪市立住まいのミュージアムだけでなく、在阪の博物館や資料館が所蔵する資料検索と資料収集を行い、写真撮影等を行うこととする。また、初年度に一定進展した「建家取調図面」のデータ入力を引き続き行い、同じく9ヵ町程度を完成させたい。
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Causes of Carryover |
残高がわずかに出たが、翌年度に消化できる見込みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品を購入予定。
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[Book] 淀川舟游2015
Author(s)
谷直樹(編著)
Total Pages
80
Publisher
摂南大学・大阪市立住まいのミュージアム
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