2017 Fiscal Year Research-status Report
脳神経活動の自発性同期リズム振動を生む後脳オシレータの神経回路基盤と生理的意義
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15K06708
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷本 昌志 名古屋大学, 理学研究科, 招へい教員 (30608716)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼブラフィッシュ仔魚の後脳の左右のニューロン群が、集団で左右交互に示す自発活動に注目し、ニューロンの性質と神経回路実体および行動制御との関係を明らかにすることを目的として、ニューロン活動の光学的記録と行動出力の同時記録、および視覚刺激を用いる実験系の構築を行った。ゼブラフィッシュ仔魚の後脳では、旋回行動の方向と関連して活動するニューロン集団以外に、眼球運動と同期して複数の後脳部位のニューロンが活動すること、また視覚刺激の入力を受けることが新たに報告された(Wolf et al., 2017)。そこで、後脳ニューロン活動のカルシウムイメージングと、眼球及び尾部運動の高速度カメラ記録、および視覚刺激を同時に行う実験系を構築した。また、それぞれのニューロン集団の行動制御におけるはたらきを調べるために、カルシウムイメージングで機能的に同定した細胞群を、2光子励起顕微鏡用の短パルスレーザーにより光刺激または破壊し、その影響をカルシウムイメージング及び行動出力の記録により同一個体で解析する手法を確立した。さらに、活動電位のタイミングや発火周波数を正確に測定するために、カルシウムイメージングで機能的に同定したニューロンの活動電位パターンを、電気生理学的に測定することを試みている。細胞体の大きいニューロンの記録には成功しているが、本研究で対象としているニューロンの多くは比較的小さく、記録が困難である。遺伝子組換え系統を活用し、効率を上げる工夫を試している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな知見の報告により、当初の予定に含まれていなかった方面に注目することが妥当と考えられ、新たな実験系の導入を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した光学系を活用して未解明の神経回路実体についての研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
関連する研究結果の報告により、新たな実験系を用いることが妥当と判断されたため、翌年度分と合わせて実験系を構築し、研究計画を遂行する。
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Research Products
(3 results)