2016 Fiscal Year Research-status Report
DPP8/9阻害剤を用いた新たな多発性骨髄腫の治療法の開発
Project/Area Number |
15K06875
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50398319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40404602)
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (90336389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、DPP8/9阻害剤の抗腫瘍効果を確認する目的で,マウスを用いたin vivo実験に取り組んだ。まずは、骨髄腫の培養細胞株をマウスの皮下に移植する皮下腫瘍モデルの作成を試みた。骨髄腫細胞株をマウスへ皮下移植する際には、NOG(NOD/Shi-scid, IL-2Rγnull)マウスを用いると安定した結果が得られることは基礎検討済みであり,同マウスを使用している。皮下腫瘍としては,細胞株MM.1Sを5x10^6 cell/マウスで100μLのPBSに調整して、マウス皮下に接種した。Day 3より,DPP8/9阻害剤である1G244を,30mg/kg/マウスで週に1回投与した。また既存の骨髄腫に対する抗腫瘍薬ボルテゾミブとの併用効果に関しても確認実験を行った。ボルテゾミブは既報に従い,0.5mg/kg/マウスで週2回 day3より投与を開始した。抗腫瘍効果は皮下腫瘍の腫瘍径を測定して判定し,さらに生存期間の比較を行った。結果としては,皮下腫瘍の腫瘍径は,無治療群で最も大きく,次にボルテゾミブ単独投与群が大きかった。1G244を投与したマウス群で,最も強い皮下腫瘍の縮小効果が認められた。今後,ボルテゾミブとDPP8/9阻害剤である1G244の併用効果を確認する実験を予定している。また,皮下腫瘍モデルのみならず,骨髄腫細胞を骨髄内に移植モデルに関しても,同様の実験をして治療効果を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記載した通りに,概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,DPP8/9の阻害がどのようにアポトーシスを誘導するのか、そのシグナル伝達を明らかにする予定である。
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