2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K07190
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 宗利 九州大学, 学内共同利用施設等, 助教 (80512186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ツノゼミ / アフリカ / 中米 / 南米 / ツノゼミ亜科 / ハタザオツノゼミ族 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は野外における採集調査を中心に行った。27年5月にはアフリカのカメルーンで2週間ほど採集し、これまでまったく得ることのできなかったアフリカ産種のツノゼミのDNA資料を20数種採集することができた。いずれもアジア産種の系統解析にきわめて重要な標本である。同年10月には台湾を訪れ、蘭嶼や中部山岳地帯で、アジア産ツノゼミの系統に必要な標本を得ることができた。同年11月は中米のコスタリカに3週間滞在し、20数種のツノゼミを採集することができ、そのなかでもアジア産種と類縁の深い2属のツノゼミを採集できたのは収穫であった。また、28年の1月から2月にかけて、南米のフランス領ギアナを訪れ、100種以上のツノゼミを採集することに成功した。残念ながらアジア産種と類縁の深いツノゼミ亜科の種を採ることはできなかったが、外群としてきわめて重要なものをいくつか採集することができた。 また、アジア産のハタザオツノゼミ族Hypsaucheniniの分子実験を開始し、興味深い系統樹を得ることができている。これはさらに解析を進め、早めに論文として公表するつもりである。さらに分類学的研究も進めており、ズキンツノゼミ属Sypilusの分類を進めている。在野研究者の協力を得つつ、いくつかの新種を記載するとともに、分類学的問題に関する検討を行う予定である。また共生細菌の共同研究も行う予定で、関係機関に標本の送付等も行った。これは分子系統解析に重要な情報をももたらす可能性があり、成果を期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的に順調ではあるが、まだ必要な標本、たとえばオオハタザオツノゼミGigantorhabdusの採集に成功していないのと、族単位で採集が必要なものがあり、これからさらに採集に努力する必要がある。DNA実験をさらに進める必要があり採集調査時間との時間調整をしっかり行う必要性を感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降も採集調査に力を入れたく、アフリカ地域、中南米、東南アジア各地で調査を行いたい。それとともに、標本の同定作業も重要であることから、世界各地の博物館を訪れて、既知種の同定作業も行う予定である。それ以外は当初の予定通りである。
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Causes of Carryover |
27年度に予定していた海外調査が許可の関係で次年度に延期となったため、175,930円の残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度にはアフリカケニア、マダガスカルの調査の許可が出る可能性があり、そこで使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)