2015 Fiscal Year Research-status Report
目視できない材料内部のき裂の量と進展挙動による脆性材料の健全度寿命評価手法の研究
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15K07640
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山本 清仁 岩手大学, 農学部, 准教授 (60362430)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 維持管理 / ストックマネジメント / 農業水利施設 / 劣化 / 施設材料 / アコースティック・エミッション / コンクリート |
Outline of Annual Research Achievements |
農業水利施設のストックマネジメントにおいて合理的な機能保全対策を行うため,「劣化が目視できない劣化進展期の段階における健全度評価」と「機能保全対策を施すことによる施設の延命効果の定量化」を目指す.「劣化による材料内部のき裂挙動を把握し,劣化進展期の段階における健全度評価指標を検討すること」と,「既設の施設等から劣化試料を採取して載荷試験を行い,健全度と載荷試験データとを比較し,材料の寿命予測に適した指標を見つけること」を目的とする.尚,ここでは劣化速度のことを寿命と表現している. まず,劣化を期待してガラス粉末,ガラスビーズ,鉄粉および鉄球を混入したコンクリート供試体を作成した.角柱供試体をハンマーで打撃し,音波を記録し,波形パラメータ(カウント,継続時間,平均周波数)とフーリエスペクトログラムを得た.その結果,異物混入供試体の周波数とフーリエスペクトログラムの分布に違いが現れた. また,一軸圧縮試験と曲げ試験を行った.試験中においてひずみゲージによりひずみを計測し,構築したAE計測装置により波形を記録した.このAE計測装置は,Labviewにより作製した計測ソフトにより,試験中のすべてのAE波形を計測するものである.圧縮試験においてはロードセルで荷重を測定し,曲げ試験においては圧縮試験機の荷重計をビデオカメラで撮影して記録した.その結果,混入の有無により強度と応力ひずみ関係に変化は認められなかったが,破壊近傍における波形の周波数分布に違いが現れた. 以上のように,劣化指標を考察するデータを得る環境を構築することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
劣化供試体の作製に改善の余地があるが,データ取得環境をおおむね整備し,劣化指標に関する知見が得られたため.当該年度の目標はおおむね達成したと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
劣化供試体の作製方法を再検討し,劣化の有無が明確に反映されるように工夫を行う.また,AE計測装置と荷重・ひずみ計測の同期を行い,各応力段階におけるAE波形特性の把握を行う.さらに繰り返し載荷を行い,荷重の履歴による残留ひずみと静弾性係数を把握し,損傷変数と膨張ひずみを算出するシステムを構築する.
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Causes of Carryover |
予定通り執行していたが、想定より執行額が安く上がったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品購入の一部とする.
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