2015 Fiscal Year Research-status Report
動物およびヒト由来ノロウイルス、サポウイルスの増殖系確立、改良に向けた研究
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15K07734
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
岡 智一郎 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (50356242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 弘隆 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (00332362)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カリシウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
培養増殖系のあるブタサポウイルスについて現在唯一感受性があるとされているブタ腎臓由来細胞(LLC-PK細胞)以外の、新たなブタ由来の感受性細胞を見いだした。マウスノロウイルスの増殖には現在マウスマクロファージ由来細胞 (RAW264.7細胞)が広く使用されている。今回検討した3種類のマウス非マクロファージ由来細胞(HS22, P3U1, WEHI-3b細胞)ではマウスノロウイルスの増殖は認められなかった。 我々がネコ腎臓由来細胞 (CRFK細胞)におけるネコカリシウイルスの感染性ウイルス産出に成功したEF1αpromoterを用いたplasmidベースのリバースジェネティクス系を他の動物由来カリシウイルスに応用する目的で、申請者がオハイオ州立大学において作成したEF1αpromoter下流にブタサポウイルスのフルゲノムcDNAをクローニングしたplasmidをブタ由来細胞(LLC-PK)にtransfectしたが、ブタサポウイルスの産出は確認できなかった。この原因を探るため、さらに検討を行った結果、LLC-PK細胞ではEF1αpromoterが機能しないことが示された。 今年度はヒト糞便由来のサポウイルス(2株)のヒト由来細胞における増殖の有無をRT-PCR法によって検討した。現在のところ顕著なウイルス増殖(ウイルスRNA量の増加)は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス増殖に必須な細胞因子の同定にはウイルスに感受性のある細胞の同定が必須である。今回、我々は従来ブタサポウイルスの研究に用いられてきたブタ腎臓由来細胞(LLC-PK細胞)以外のブタ細胞がブタサポウイルスに感受性を有することを初めて見いだすことができた。これらの知見は今後、感受性因子の検索にも有用である。 一方でマウスノロウイルスについては現在広く使用されているマウスマクロファージ由来細胞 (RAW264.7細胞)にかわる高感受性細胞は見つからなかった。 我々がネコカリシウイルスの産生に成功したEF1αpromoterを用いたplasmidベースのreverse genetics系をブタサポウイルスに応用したところ、予想外にLLC-PK細胞ではこのpromoterが機能しないことが明らかとなった。 また現時点ではヒトサポウイルスの培養細胞での増殖も認められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に従い、すでに確立済みのネコカリシウイルスについてはウイルスゲノム配列改変による増殖効率への影響評価を行う。ヒト由来ノロウイルス、サポウイルスについて糞便もしくは糞便から抽出したウイルスRNAの細胞への導入も試みる。 我々が現在用いているplasmid base reverse genetics系に用いているEF1αpromoterについて、非感受性細胞が存在することが示されたことから、まずその他のpromoterによるreverse genetics系の可能性も探りつつ、ヒトおよび動物由来ノロウイルス、サポウイルスの増殖系構築を目指す。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが平成28年4月1日以降となったため、 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。 平成27年度分についてはほぼ使用済みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Discovery and Synthesis of Heterocyclic Carboxamide Derivatives as Potent Anti-norovirus Agents2016
Author(s)
Mai Ohba, Tomoichiro Oka, Takayuki Ando, Saori Arahata, Asaka Ikegaya, Hirotaka Takagi, Naohisa Ogo, Kazuhiro Owada, Fumihiko Kawamori, Qiuhong Wang, Linda J. Saif, Akira Asai
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Journal Title
Chemical & pharmaceutical bulletin
Volume: 64
Pages: 465-475
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] 抗ノロウイルス活性を有する低分子化合物の探索2016
Author(s)
大場舞, 岡智一郎, 安藤隆幸, 荒畑沙織, 池ヶ谷朝香, 高木弘隆, 小郷尚久, 小和田和宏, 川森文彦, 浅井章良
Organizer
日本薬学会第136年会
Place of Presentation
神奈川県横浜市みなとみらい (パシフィコ横浜)
Year and Date
2016-03-28 – 2016-03-28