2015 Fiscal Year Research-status Report
3D・GISデータとタブレット端末を用いた植物管理・環境教育システムの開発
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15K07831
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中村 彰宏 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20264814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守村 敦郎 人間環境大学, 人間環境学部, 教授 (40340393)
中山 祐一郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50322368)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環境学習 / データベース / 植物学習システム / 植物管理システム / タブレット端末 / 写真測量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、植物を学習する学生や公園や植物園等の緑地管理者を対象に、自己学習できる植物学習システム、植栽した植物をわかりやすく表示する植物管理システムを構築することと、さらにこのシステムを運用してその効用を評価することである。平成27年度には、これらの中で、植物学習システムと植物管理システム構築に向けた、1. タブレット端末を用いた植物学習プログラムの試作と試験運用、2. 写真測量を用いた画像解析と植物位置図作成を試みた。1.では、タブレット端末を用いた植物学習プログラム作成のために、対象とした大阪府立大学キャンパス内で初夏に生育する樹木および開花中の草本植物を調査して画像を取得し、これらの植物からなるべく多様な科に属する50種を選定し、タブレットで作動するデータベースを作成した。これらの種の簡単な特徴(生育場所、形態等の特徴、1枚の画像等)を元に、当該植物種を探して花や葉などを観察し、タブレット端末に付属するカメラで画像取得してデータベースにこの画像を自動的に取り込み、被験者自身が図鑑を作成できるプログラムを構築した。このプログラム前後に実施した植物名を設問とするアンケートを実施したところ、プログラム後の正答数が増加し、プログラムの有効性を評価できた。2.では、写真測量を用いた画像解析として、無人飛行機(ドローン)による上空および地上から取得した画像解析を行った。その結果、上空からの画像を用いた場合には、GPS等の影響によって10m程度以内の誤差で、植物位置図作成のためのオルソ画像を作成できたが、地上から取得した画像では側面の画像・3次元モデルを構築することが困難であることが判明した。また、地上に設置した基準点を用いた場合には、誤差の小さなオルソ画像が作成でき、これらの画像を用いて一部の植物を対象とした位置図を作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、植物学習システム構築のためタブレット端末でのデータベースを用いた植物学習プログラムの作成と試験運用、写真測量を用いた画像解析の2点を主に実施した。前者については、予定通り、データのコンテンツの取得、タブレット端末上で作動するデータベースを構築、試験運用も実施でき、その有効性のデータも得られた。次年度も計画通りに研究を推進する予定である。後者については購入した無人飛行機の設定に時間がかかり画像の取得に遅れが生じたこと、航空法が改正され対象予定地の大阪府立大学上空での無人飛行機の飛行が12/10からできなくなったことなどの想定外の事態が発生した。しかし、設定が容易な安価な無人飛行機を導入して、いくつかの画像が取得できたこと、大阪府立大学での無人飛行機による飛行許可を2016年3月から受けたことなどから、再度画像を取得ができた。これらによって、写真測量の誤差評価もでき、一部の種を対象とした樹木位置図を作成することもでき、結果としては概ね順調に研究を進められたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には、昨年度に実施した研究を継続して推進するとともに、新たな課題についても取り組む。具体的には、平成27年度に一部未完であった大阪府立大学の植物位置図を完成させ、系統分類も学習できるデータベースを用いた植物学習プログラムを構築する、さらにこのプログラムを学生等への実施する、このプログラムを用いたシステムの有用性を定量的に評価できるタブレット上で解答、正答率を集計できるシステムを構築する。H28年度には、上述の昨年度からの継続課題に加えて、新規にGISおよびデータベースのサーバー/クライアントシステムの構築を試みる。作成した植物位置図ベースに観察した植物位置を記録、編集、閲覧できるサーバー機能をもつGISを作成し、このGISをデータベースに組み込むこと、さらに対象者の植物の知識レベルに応じた最適な種数をもったデータベースを複数個作成し、学習レベルに応じて段階的に種数を増加させて学習者への負担を軽くした学習システムを、サーバー機能をもったデータベースソフトを用いて構築する。有用性の評価に用いるシステムも、サーバー機能を用いて、効率的に実施する手法の構築を行う。
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Causes of Carryover |
対象地におけるドローンでの空撮を秋頃に実施予定だったが、ドローンの設定に手間取り空撮が遅れた。さらに、航空法の改正によって対象地での空撮が十分に行えなくなったため、空撮データの取得が遅れ、そのために謝金執行によるデータ解析が年度末で実施できなかった。また、空撮が遅れたことで、十分な打合せが不可能で、旅費の執行も減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度に入り、謝金によるデータの解析、打合せを実施するための旅費の執行、さらに平成28年度に実施予定のネットワークシステムの充実に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)