2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of RABL2-CEP19 complex involved in primary cilium formation
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15K07929
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 洋平 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90568172)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 繊毛 / 鞭毛 / 中心体 / 基底小体 / 低分子量GTPase / IFT複合体 / 繊毛内タンパク質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
RABL2とCEP19遺伝子の変異は、それぞれ男性不妊と病的肥満の原因となることが知られている。しかしながら、これらの遺伝子の異常がどのようにして疾病を引き起こすのかはわかっていないだけでなく、正常な働きについてもほとんどわかっていない。 昨年度までに活性化型(GTP結合型)RABL2が繊毛内タンパク質輸送(IFT)複合体と相互作用することを見出した。本年度は、RABL2がIFT複合体の積み荷タンパク質として繊毛内に運ばれているか調べるため、IFT139(IFT-A複合体のサブニットの一つ)をノックアウト(KO)した細胞におけるRABL2の局在を観察した。IFT139をKOしたヒト網膜色素上皮(RPE1)細胞では、繊毛内の順行輸送は正常だが逆 行輸送が滞るために、IFT複合体と積み荷タンパク質が繊毛の先端に蓄積することがわかっている。もしRABL2がIFT複合体の積み荷であるならば繊毛の先端に蓄積すると予想した。しかし、RABL2の繊毛先端部での蓄積は見られず、基底小体に局在したままであった。この結果から、RABL2はIFT複合体の積み荷ではないと考えられる。 一方、GDP結合型RABL2(S35N)またはRABL2(D73G)変異体をRPE1細胞に過剰発現させると繊毛形成が抑制されることから、RABL2の活性化 に伴うIFT複合体との相互作用が繊毛形成にとって重要であることが示唆された。 これまでの研究結果を総合すると、RABL2はCEP19と結合した状態で基底小体に局在しているが、グアニンヌクレオチド交換因子によっ てGTP結合型へと変換されるとCEP19から解離し、IFT74-IFT81二量体と一過的に相互作用することによって、IFT複合体の繊毛内移行を 制御し、繊毛/鞭毛の形成に関与すると考えられる。
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Research Products
(22 results)