2015 Fiscal Year Research-status Report
哺乳動物細胞の繊毛小胞形成に介在する分子機構の解明
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15K07931
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 哲夫 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80433994)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 一次繊毛 / 繊毛小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊毛小胞形成を制御することが知られているRab11-Rabin8-Rab8-Sec15カスケードと関与するタンパク質をプロテオミクス法により探索した。その結果、Rab11と結合する候補タンパク質として新規の低分子量GTP結合タンパク質であるpX2が同定された。そこでまず、HEK293T細胞を用いて、Rab11とpX2の相互作用を調べたところ、Rab11とpX2が共沈降することが分かり、両者の相互作用が示唆された。次に、pX2の細胞内局在を調べたところ、一次繊毛を形成していない細胞においては中心小体に局在し、一次繊毛を形成している細胞においては一次繊毛の根元部分に局在することが分かった。また、一次繊毛研究で汎用されるRPE1細胞において、pX2の発現抑制実験を行ったところ、pX2を発現抑制した細胞では有意に一次繊毛形成が抑制されたことから、pX2は一次繊毛形成に必要であることが示唆された。さらに、pX2が一次繊毛形成過程のどの段階に寄与するかを調べるために、一次繊毛形成時に中心小体から乖離するCP110の動態を調べた結果、pX2発現抑制細胞においてはCP110が中心小体に留まっていることを見出した。これらの結果から、pX2は中心小体に局在し、Rab11との相互作用を介して、一次繊毛形成の初期段階に必須の働きを担うタンパク質であることが示唆された。現在、pX2とRab11-Rabin8-Rab8-Sec15カスケードの関連を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
繊毛小胞形成への介在が期待される新規タンパク質pX2の機能解析が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
pX2による繊毛小胞形成制御を明らかにするために以下の解析を計画している。 1. pX2とRab11の結合様式と細胞内局在の解析 2. Rab11-Rabin8-Rab8-Sec15とpX2が繊毛小胞形成に与える影響の検証
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Research Products
(4 results)