2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of hair follicle formation by Runx family proteins
Project/Area Number |
15K07980
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤田 隆司 立命館大学, 薬学部, 准教授 (30319793)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Runx2 / 毛乳頭細胞 / ケラチノサイト / 上皮 / 間葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
Runx2、Runx3の発現を、抜毛2日目(リセットモデル)において毛穴からダウングロースが進む上皮先端部に認め、抜毛5日目には毛球部上方に認めた。Tnfrsf19の発現は、Runx2、Runx3の発現と一致し、抜毛2日目に限定的な発現であった。すなわち、Tnfrsf19は時間的・空間的に限られた発現パターンを示した。上皮と間葉(真皮)の相互作用によって発毛イベントが進むことから、パッチ法で遺伝子改変した培養の移植が可能な、毛乳頭細胞(DPs)への遺伝子改変を行った。まず、Runxファミリーに共通する遺伝子結合ドメインであるRuntドメインからなるドミナントネガティブRunx(DN-Runx)を安定強発現したDPsと胎生17.5日齢マウス上皮を混合し、スフェロイド化したGFP-DPsおよびDN-Runx-DPsをそれぞれ、ヌードマウスに移植して、発毛の表現型を観察した。結果として、DN-Runx-DPsを移植した場合、ダウングロースのイベントが観察されず、発毛も起こらなかった。これらは、上皮のイベントにかかわらず、間葉側の異常が生じたものと考えられた。上皮側の遺伝子改変に関しては、現時点では培養する技術がなく、受精卵への遺伝子導入はトランスジェニック法しか実用的ではない。そこで、単離下ケラチノサイト(Ker)へのアデノウイルス遺伝子導入法により代替し、DN-Runx-IRES-GFP-Kerを移植に用いて調べた。その結果、ダウングロースは生じず、この時、GFP陽性のケラチノサイトにおいて、Tnfrsf19の発現を認めなかった。これらのことから、Runx2、Runx3は上皮において少なくとも、Tnfrsf19をポジティブに発現調節して、発毛のマシーナリーを進めているだけでなく、毛乳頭の機能も調節することで、上皮‐間葉の相互作用を調節していることが分かった。
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