2016 Fiscal Year Research-status Report
薬用食品から高インスリン血症の改善を機序とする生活習慣病改善作用成分の探索
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15K08009
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
二宮 清文 近畿大学, 薬学総合研究所, 講師 (10434862)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / インスリン / 脂肪肝 / 耐糖能 / 肥満症 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,主に糖尿病や高脂血症などの種々生活習慣病の発症の基礎病態と考えられる肥満の形成過程,並びに糖尿病発症初期段階において観察される高インスリン血症によりもたらされる過度の肥満,種々生活習慣病の発症を抑制する物質を薬用にも供される食品から探索することを目的とする.昨年度の報告では,タイなどでスパイスなどとしても使用されコウズク (Alpinia galanga, 果実) から,フェニルプロパノイド成分を活性成分として明らかにしている. 今年度の研究成果としては,コウズクの主活性成分として得られたフェニルプロパノイド成分について,in vivo における耐糖能改善作用と肝臓中中性脂肪低減作用を見いだし,第 34 回メディシナルケミストリーシンポジウムおよび第 33 回和漢医薬学会学術大会にて,報告した.当該の研究では,フェニルプロパノイド成分の3日間の経口投与により有効性が確認出来ている.現在,糖質負荷時のインスリン分泌に与える影響,投与量の最適化,作用機序等の検討を並行して進めている段階である. 上記の内容に加え,タイ産薬用食物や国内産食品由来抽出エキスを用いたスクリーニング試験を実施しており,タイ産植物であるAnaxagorea luzonensis 木部抽出エキスなどに有効性を見いだしており,現在,有効成分の特定を目的に,含有成分の精査を行ってる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitro での実験で見いだした化合物の,実験動物への経口投与により,当初計画通り,肝臓中中性脂肪含量の低減と,耐糖能改善作用を既に見いだしている.研究計画の最終年度には,血中インスリン濃度の測定,長期連続投与時の遺伝子発現変化などを計画しており,当初の研究計画に鑑み,概ね順調に推移していると判断出来る.
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Strategy for Future Research Activity |
前記,進捗状況の欄に記載している通り,概ね順調に研究が進展していることから,これまでに見いだしたフェニルプロパノイドの薬理学的機序の解析を進めるとともに,並行して実施していたタイ天然薬用食物を研究題材としたスクリーニング試験にて,有効性を見いだしている数種の植物についても,有効成分の特定を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
学内での支出(支払い)期日に遅延したため,2016年度内において未使用金が発生した.2016年度内に,すでに当該研究に係る物品は購入済みである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度内に未使用金分の物品は既に購入済みである.事務手続き上,執行は2017年度になる.
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