2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular and morphological analysis of sex steroid metabolizing enzymes involved in the development and pathology of cardiovascular system
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15K08141
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
鶴尾 吉宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (90207449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悠太 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00580672)
伊藤 隆雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30315931)
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50264875) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 性ステロイド / ステロイド代謝酵素 / 心血管系 / 肺高血圧 / 免疫組織化学 / 分子形態学的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
心血管系を構成する細胞のうち、循環機能の制御に主要な働きをしている血管内皮細胞と平滑筋および心筋細胞について、これら細胞における性ステロイド代謝酵素の発現と局在を分子形態学的に調べて機能を明らかにすることを目的として実験を行った。 初年度はラット心臓における5α-リダクターゼ1型酵素と3α-ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ(3α-HSD)について、これら酵素の発現を免疫組織化学的に明らかにした。 昨年度は、この結果をもとに他の性ステロイド代謝酵素の発現についても調べた。17-ヒドロキシラーゼ/17,20-リアーゼ(CYP17)は、僧帽弁および大動脈弁の内膜の内皮細胞および線維芽細胞と心房の心筋細胞に発現することを認めた。3β-ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ(3β-HSD)と5β-リダクターゼについてもほぼ同じ発現パターンを示すことが確認できた。 最終年度では、これらの結果をもとにして、心臓の各部位において局所的に産生されると考えられる性ステロイド代謝酵素の変化について肺高血圧症の実験モデル動物を用いて解析した。モノクロタリン(40 mg/kg)を皮下に投与して3週間後に肺高血圧症を示したラットの心臓について、大動脈、肺動脈、半月弁、房室弁、心房および心室の心筋細胞における上記の性ステロイド代謝酵素の発現を免疫組織化学的に調べた。大動脈および大動脈弁においては、内皮細胞と線維芽細胞における、5α-リダクターゼ1型と3α-HSDの酵素の発現には有意な変化は認められなかったが、肺動脈および肺動脈弁において、5α-リダクターゼ1型と3α-HSDの酵素の発現量が内膜と外膜の部分において増加していた。以上のことから、5α-リダクターゼ1型と3α-HSDの2つの代謝酵素によって合成されるアロプレグナノロンが、肺動脈の収縮機能に対して作用を及ぼしていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)