2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the autocrine DNA fragmentation mechanisms in mouse intestinal intraepithelial lymphocytes
Project/Area Number |
15K08146
|
Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
伊藤 恒敏 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (90004746)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 雅君 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (50311907)
|
Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
|
Keywords | マウス / 小腸 / 上皮細胞 / γδ-IELs / マクロファージ / TNFα / 粘膜固有層 |
Outline of Annual Research Achievements |
IELの活性化に伴い、小腸IEC(先端側半分)の剥離に伴う一過性の下痢が生じるが、この現象はTNFαによるものである。ELISA解析の結果、TNFαは正常時の血中では検出されないが、IELの抗体刺激1時間後に一過性に上昇する(Max:200pg/ml)ことが認められ、IECの剥離現象との関連性が確認された。TNFαの産生分泌細胞及びその機構の検証として、TNFαの主要な産生細胞としてマクロファージ(Mφ)が知られていることより、脾臓摘出マウスとクロドロン酸処理(肝Mφ除去)マウスを用いて脾臓と肝臓に局在するMφ除去マウスで検索したが、コントロールマウスと同様にIEL活性化で下痢が生じ、IEC剥離を誘発するTNFαのソースは脾臓および肝臓ではないことが確認された。腸粘膜における免役組織学的探索の結果、パイエル板の旁濾胞域と小腸絨毛の粘膜固有層(先端側に多く検出)にTNFα免疫反応陽性Mφの存在が確認された。この絨毛で検出されるTNFαの免疫反応について、IEL刺激前および刺激1時間後では、TNFαの免疫反応はみられるが、2時間後の絨毛ではTNFαは検出されなくなる。これらの結果は血中TNFα動態と一致するものであり、IECの剥離を誘導するTNFαのソースは、腸粘膜、しかもIEC剥離が生じる絨毛先端側の固有層にあることが示唆された。外来抗原の侵襲を受けた絨毛先端部では、IELの活性に伴い、IFNγなどのリンホカインのパラクライン放出、もしくは、IELとMφの直接的接触を介した情報伝達によってMφが活性化し、放出されたTNFαによってIECが剥離するという、非常に局所的な免疫機構の存在が推察される。今後このIEL活性化の機序、およびMφ活性化誘導因子を明らかにすることで、IELの腸管免疫における役割がさらに詳細に解明されるものと考える。
|
Research Products
(8 results)