2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of chymase on development and progression of organ damage induced by metabolic syndrome
Project/Area Number |
15K08251
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
高井 真司 大阪医科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キマーゼ / メタボリックシンドローム / 高血圧 / 脂質異常症 / 糖尿病 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドローム誘発による非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の新規モデルとして、ハムスターに高脂肪・高コレステロール餌を与えて肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病に起因するNASHモデルの確立に成功した。NASHモデルとして一般的に汎用されてきたメチオニン・コリン欠損餌で作製したものでは極端な体重減少と血中の脂質レベルの低下が見られるが、本モデルは臨床のNASH患者の発症機序と類似していると考えられる。 本モデルでは、高脂肪・高コレステロール餌を与え始めて4週において、正常餌群に比して有意な体重増加を認め、12週においては血圧上昇と血中の総コレステロールとトリグリセリドの有意な増加を認めた。そして、空腹時血糖値も正常餌群に比べて高脂肪・高コレステロール餌群で有意に増加した。12週において摘出した肝臓組織では、著明な脂肪肝と線維化の組織像を認め、生化学的解析結果として、炎症マーカーであるTumor necrosis factor(TNF)-αや線維化と関連性の高いTransforming growth factor (TGF)-β、コラーゲンの遺伝子発現量が正常餌群に比べて高脂肪・高コレステロール餌群で有意に増加していた。TGF-βに関してはウエスタンブロットによる蛋白量の解析も行い、正常餌群に比べて高脂肪・高コレステロール餌群で有意に増加していたことも確認できた。 本モデルにおいて、肝臓組織解析により、正常餌群に比べて高脂肪・高コレステロール餌群でキマーゼの発現細胞である肥満細胞数の有意な増加とキマーゼ発現細胞の増加が確認された。また、肝臓組織抽出液中のキマーゼ活性も同様に高脂肪・高コレステロール餌群で正常餌群に比べて有意な増加が認められた。 本研究成果を論文発表(Experimental Animal 2018;67(2):239-247)した。
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Research Products
(4 results)