2015 Fiscal Year Research-status Report
心筋細胞間接着を基点とする新しいAMPKのバイオロジー
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15K08271
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新谷 泰範 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20712243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 介在版 / AMPK / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
AMPKが心臓において介在板に局在することを見出し、介在板におけるAMPKの基質の探索をおこない、CLIP170および新規膜タンパク質(AIPID; AMPK interacting protein at the intercalated disc)を基質として同定した。さらに、そのリン酸化部位を同定し、ウェスタンブロット、免疫染色が可能なリン酸化部位特異的な抗体の作成に成功した。 CLIP-170についてはリン酸化部位に変異を加えた S311AあるいはWTのcDNAにEGFPを付加した融合タンパクを心筋で発現させ、AMPKの活性に修飾を加えた状態でタイムラプス観察し、ジャンクション分子の輸送について、当初の計画書の予定通り進行している。またAMPKによるリン酸化の役割を生体で検討するために、CLIP-170のリン酸化部位に変異を加えた S311A,あるいはWT をloxPではさんだコンストラクトを、タモキシフェン誘導下で心筋特異的に発現するトランスジェニックマウスを作成、おのおの2ライン樹立した。これにより成獣マウスにおいて、介在板におけるCLIP-170リン酸化の調節(阻害あるいは増幅)を心臓特異的、時期特異的に行うことが可能となる。タモキシフェンによるトランスジーンの発現を確認したのち、介在板におけるAMPKの活性化が十分に上昇した8週以降の成獣マウスにおいて変異タンパクの発現を誘導し、in vivo でAMPKの介在板におけるシグナルを修飾することの効果をエコーによる心機能で評価し、心機能に有意な変化を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進展している
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Strategy for Future Research Activity |
心筋細胞における微小管輸送に対してAMPK活性の変化および局在を操作し検討を進める予定である。またトランスジェニックマウスについてはS311Aミュータントが安静時において心機能に有意な差をみとめており、今後心電図、ジャンクション分子の免疫組織染色および電子顕微鏡観察によりさらに詳細な解析を行う予定である。さらに病態モデルを作成し、病態生理学的な意義についても検討を加える。
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Causes of Carryover |
基質の同定、リン酸化部位の同定、抗体作成、トランスジェニック作成が予定通り進行し、予定していた予備実験がすくなくすみ、また試薬も安く購入できたため差額が生じた。また成果の発表のタイミングが次年度のほうが適しており、学会出張を控えたため、旅費が当初の予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は心筋培養系の実験、およびトランスジェニックマウスを用いた実験も当初の予定より検討する条件数を増やし、より詳細な検討をくわえていく。次年度は複数回の学会出張を予定している。
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Research Products
(2 results)