2016 Fiscal Year Research-status Report
外因性リガンドとしての脂肪酸結合蛋白FABP4の前立腺癌増殖における意義
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15K08403
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上原 久典 徳島大学, 病院, 教授 (30263809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹行 武蔵野大学, 付置研究所, 講師 (00403692)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | FABP4 / 前立腺癌 / 骨転移 / LSR |
Outline of Annual Research Achievements |
fatty acid binding protein 4 (FABP4) は脂肪細胞から分泌され、その血中濃度は肥満の程度と相関し、アディポカインと考えられている。 我々はこれまでに FABP4 が前立腺癌細胞の浸潤を促進すること、および PI3K/Akt 経路を活性化することを明らかにしてきた。 本研究は FABP4 と、細胞膜に存在し、FABP4 がリガンドとして結合することが確認されている lipolysis stimulated lipoprotein receptor (LSR) の前立腺癌細胞の増殖やシグナル伝達における意義を明らかにすることを目的とし、これによって肥満に関連した前立腺癌の進展機序の解明と新規治療法の開発に貢献できると考えられる。 平成28年度は、以下の結果が得られた。 1. ヒト前立腺癌細胞とマウスの骨髄間質細胞を共培養することによって、有意に培養上清中のマウスFABP4量が増加したことから、前立腺癌の骨転移では、前立腺癌細胞との相互作用によって間質細胞から放出された FABP4 が微小環境中に高い濃度で存在する可能性が示唆された。 2. ヒト前立腺癌細胞のLSR低発現株、あるいはコントロールの細胞をそれぞれマウス脛骨に移植し、さらに FABP4 inhibitor あるいは vehicle を投与すると、昨年度に行った実験と同様にLSR低発現株を移植したマウスで腫瘍形成頻度、最大割面での腫瘍の大きさ、ki-67標識率が有意に少なく、FABP4 inhibitor を同時に投与した場合にさらに強い腫瘍抑制効果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、以下の結果が得られた。 1. ヒト前立腺癌細胞とマウスの骨髄間質細胞を共培養することによって、有意に培養上清中のマウスFABP4量が増加したことから、前立腺癌の骨転移では、前立腺癌細胞との相互作用によって間質細胞から放出された FABP4 が微小環境中に高い濃度で存在する可能性が示唆された。 2. ヒト前立腺癌細胞のLSR低発現株、あるいはコントロールの細胞をそれぞれマウス脛骨に移植し、さらに FABP4 inhibitor あるいは vehicle を投与すると、昨年度に行った実験と同様にLSR低発現株を移植したマウスで腫瘍形成頻度、最大割面での腫瘍の大きさ、ki-67標識率が有意に少なく、FABP4 inhibitor を同時に投与した場合にさらに強い腫瘍抑制効果が得られた。 実験計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
50例程度の前立腺癌の手術材料を用いてLSRの免疫染色を行い、正常組織、前癌病変、および腺癌におけるLSRの発現を調べる。グリソン分類とLSR発現の間に関連があるかどうかについても調べる。
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Causes of Carryover |
会計処理が4月にわたったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予算は執行済み。
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Research Products
(1 results)