2016 Fiscal Year Research-status Report
腸管毒素原性大腸菌不活化ワクチン開発のためのトキソイド及び定着因子抗原の開発
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15K08428
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新川 武 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (50305190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原國 哲也 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 協力研究員 (60593598) [Withdrawn]
玉城 志博 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (00720822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸管毒素原性大腸菌 / 易熱性腸管毒素 / 耐熱性腸管毒素 / コレラ毒素 / ジスルフィド結合 / 天然型タンパク質立体構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は耐熱性腸管毒素(STa)の立体構造を保持したまま高発現させる方法を検討した。特にコレラ毒素B鎖(CTB)とSTaとの融合タンパク質を大腸菌で発現させることを試みたが、STa内の複雑なジスルフィド結合の組み合わせのため、天然型立体構造をもったSTaとして高発現させることには至っていない。しかし、耐熱性腸管毒素にはaタイプ(STa)とbタイプ(STb)があり、これらは構造的にも血清学的にも全く異なるものである。さらに、STbは疫学的にも特に動物(豚等)に感染する病原性大腸菌から比較的頻繁に見出される。よって、STaの効率よい発現系確立と同時にSTbの発現系確立も重要課題である。我々はこのSTbの発現系確立のため人工遺伝子を構築し、その発現系確立に向け研究を進めている。また、我々はCTBの大腸菌封入体からの巻き戻し法を既に確立しているため(Tamaki et al., 2016)、CTB-STb融合タンパク質の巻き戻しも検討すべき課題でると考えている。
CTB-STb融合タンパク質は、全体を大腸菌コドンへ最適化している。また、発現ベクターは37℃および低温誘導も可能としているため、封入体発現とそれに続き巻き戻し、ならびに、分泌発現させることも理論上可能である。よって、平成28年度の遺伝子構築作業に基づき、平成29年度はSTaの発現系確立と同時にSTbの発現系確立を目指す必要がある。
Tamaki Y, Harakuni T, Yamaguchi R, Miyata T, Arakawa T. (2016) Cholera toxin B subunit pentamer reassembled from Escherichia coli inclusion bodies for use in vaccination. Vaccine 34:1268-1274.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STaの効率的な発現方法の確立には至っていないが、STbとCTBとの融合化については順調に進んでいる。よって、プロジェクト全体としてはおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、STaの天然型立体構造を保ったCTB融合タンパク質として発現させる方法を確立すると同時にCTB-STbの発現方法も重要課題であるとの認識の下プロジェクトを推進する必要がある。
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